デジタル林業の試み
2023-05-18 16:17:23

静岡県でデジタル技術を活用した新たな林業の試みが始動

静岡県でデジタル技術を活用した新たな林業の試みが始動



2023年、静岡県富士山麓の自然の中で、株式会社ふもとっぱらと興農GPSSインベストメントマネジメント合同会社(KGIM)が新たな共同事業を開始する運びとなりました。この取り組みは、デジタル技術や先進技術を駆使して、静岡県及び中部地域における林業の基盤を構築することを目的としています。

共同事業の概要


この共同事業には、三つの主要な要素が含まれています。

1. カーボンクレジット事業


ふもとっぱらが保有する広大な森林資産を使用し、人工衛星やドローンを用いてデジタル測量を行います。そのデータを元に、森林伐採や植樹計画のモニタリングを実施し、カーボンクレジットの組成を進めていきます。特に、厳格な欧州基準をクリアしつつ、J-クレジット制度に基づいてクレジットの組成を行うことが目指されています。

2. 林業人材の育成


ふもとっぱら森林事業部は、次世代の林業を担う若者たちに妥当な教育を提供するため、デジタル測量技術やICT関連のノウハウを加えた新しい人材育成プログラムを開発します。この取り組みは、林業従事者の事業の多角化を促し、収入向上にも貢献できるよう設計されています。

3. ドローンを活用した効率的なオペレーション


この事業では、重量物搬送用ドローンの導入によって、山間部への資材や工具の運搬が実現されます。これにより、従来の作業よりも安全かつ効率的にオペレーションが行えるようになります。

林業が抱える地域課題の解決


日本の森林面積は国土の約68.5%を占めており、林業は国土管理の上で重要な役割を果たしています。しかし、高齢化や担い手不足、海外からの安価な木材の流入といった課題が顕在化しています。さらに、間伐や下刈りが行われない人工林では土砂崩れなどの災害が発生するリスクも無視できません。

KGIMが導入するデジタル測量技術は、森林を管理しアクションプランを見直す際に必要なデータの収集を迅速化します。これは、業務の効率化のみならず、安定した木材供給体制の構築にも寄与することを期待されています。

未来を見据えた取り組み


両社の共同事業の成果は、静岡県及び周辺地域の林業関係者と共有され、地域全体での林業人材育成にも貢献する計画となっています。また、デジタル測量やカーボンクレジット事業の推進を通じて、国内林業の安定雇用の促進や若者の就業機会拡大を目指しています。これにより、地域の自然環境をより良い形で次世代に引き継ぐための基盤が築かれることでしょう。

このような取り組みが全国の林業にも波及し、持続可能な社会の実現に向けた新たなステップとなることが期待されます。

会社情報

会社名
興農GPSSインベストメントマネジメント合同会社
住所
長野県長野市大字南長野西後町610-12 R-DEPOT 3階N-西
電話番号

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