京都府発明等功労者表彰で4代目陶芸士が入賞した経緯

京都府発明等功労者表彰での栄誉

2023年4月15日、京都市にある清水焼の窯元4代目、山川敦司さんが京都府発明等功労者表彰において、発明考案功労者として「入賞」を果たしました。この賞は、発明や考案、創意工夫の重要性を広め、科学技術の進展に寄与することを目的としています。

発明の内容

今回、山川さんが評価された発明は、愛玩動物などの遺骨灰を主成分とする焼結体に関するいたってユニークなものでした。陶芸の技術を駆使し、組成を調整することで遺骨灰を高い割合で含有する焼結体の製造方法を考案しました。この新しい方法により、遺骨灰の含有量が90%以上の製品を作り出すことが可能になり、愛するペットとのつながりを大切にした商品が提供できるようになりました。この技術は、ペットが天国に旅立った後でもいつでもその存在を感じられるよう、遺骨を石珠に加工するサービス『想久の石珠』の展開に繋がっています。

想久の石珠の魅力

『想久の石珠』は、ペットの遺骨を魅力的に加工するサービスで、遺骨灰を9割以上残したまま、様々な形に成形できるのが特徴です。耐久性と不可燃性にも優れており、握りしめてもしっかりとした形を保つことができます。石珠は丸型のほか、ハートや星型など、お客様の想いを反映した特別な形を提供しています。このサービスは、持ち運び可能な「お守り」として、またはペットがいた場所に飾ることもでき、家族でそれぞれの石珠を持つことでその絆を深めることができます。

増加する供養のニーズ

ペットを家族のように大切に思う人々が増える中、手厚く供養したいというニーズも年々高まってきています。しかし、近くにペット霊園がない、または庭などがなく埋葬できないという問題を抱える人も多くいます。『想久の石珠』は、こうしたニーズを受けて登場したサービスです。

製作には時間がかかりますが、2022年12月のサービス開始以来、すでに30件以上の受注があり、「ほっとした」、「形を変えてもずっと一緒にいられる」といった嬉しい声が多数寄せられています。今後も顧客や社会のニーズに応じて新しい価値を創出する努力を続けていくと山川さんは語ります。