意欲作『あの瞳に透かされる』が描く表現の自由の深淵
2024年9月、東京都豊島区のシアターグリーンで、劇作家くるみざわしんの新作『あの瞳に透かされる』が上演されることが決定しました。この作品は、実際にあった事件を元にしており、表現の自由とその責任についての問いを投げかけるものです。
上演の背景
本作は、Pカンパニーが主催するシリーズ「罪と罰」の第12弾として企画されています。Pカンパニーは2008年に設立され、幅広い演劇作品を通じて「小さな演劇」の新たな可能性を追求してきました。理想を追い求める姿勢が、演劇界に小さなが輝きを加えることを目指しています。
物語の概要
『あの瞳に透かされる』は、元「従軍慰安婦」の写真展が、排外主義者たちの抗議に恐れられて中止となるという、現実の脅威を題材にしています。この中止を決めた社員は、その後、写真家に訴えられ敗訴。しかし、彼の会社ではその貢献を認められ、現在は本社を離れて家庭と平穏な生活を送っています。物語は、彼の元へ過去を掘り返す男が現れるところから始まります。果たして、彼に訪れた恐怖とは何だったのでしょうか。
出演者とスタッフ
本公演では、内田龍磨、磯貝誠、木村万里、木村愛子、藤夏子など、実力派のキャストが揃います。演出には冨士川正美が起用され、美術、衣装、音楽なども多彩なメンバーが担当。特に視覚障がい者向けの公演ガイドやアフタートークも用意されており、観客への配慮が感じられます。
開催概要
- - 開催期間: 2024年9月4日(水)〜9月8日(日)
- - 会場: シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都豊島区南池袋)
- - チケット料金: 一般 5,500円、シニア割(65歳以上)4,400円、U25割(25歳以下)3,300円
チケットは現在、カンフェティにて販売中。出演者やスタッフの情報はPカンパニーの公式サイトから確認できます。
表現の自由の意義
この作品を通じて、観客は表現の自由とそれに伴う責任について深く考える機会を得ることでしょう。過去の出来事に向き合い、様々な視点からの対話を促すこの公演は、ただのエンターテインメントではなく、社会に対する一定のメッセージを持っています。時代を映し出し、我々は何を選び、どのように生きていくのか、一緒に考えてみましょう。