横浜市新綱島駅前で始動する「池谷家古民家周辺不動産活用プロジェクト」
横浜市港北区で、注目のプロジェクトが進行中です。それは「(仮称)池谷家古民家周辺不動産活用プロジェクト」。東急株式会社や住友林業株式会社、株式会社再生建築研究所の三社が協力し、古民家を中心とした商業施設の再生を目指しています。2025年5月1日から、二棟の木造商業施設の新築工事が始まる予定で、開業は2026年度の下期に予定されています。
歴史ある古民家を次世代へ
このプロジェクトの中心にあるのが、築168年の「池谷家住宅主屋」。この古民家は、地域の住民に長年愛されてきた貴重な存在です。2024年1月には横浜市認定歴史的建造物として認定され、11月には特定景観形成歴史的建造物にも指定されることが決まっています。
改修工事は2025年2月に着手し、外観や伝統的な真壁造りの意匠を可能な限り維持しながら、最新の耐震基準を満たすように再生が進められます。飲食店や物販店舗、事務所向けの活用が期待され、地域住民や観光客にとって新しい憩いの場となるでしょう。
賑わいを生む商業施設
新綱島駅周辺は、横浜市が進行中の土地区画整理事業の恩恵を受けており、一連の開発プロジェクトが整備されています。このプロジェクトでは、古民家を囲むようにして、低層の木造商業施設が設計されています。この商業施設は、古民家との調和を考慮して建設され、深い軒下空間や木の柱といった伝統的なデザイン要素が取り入れられます。
商業施設は、木材を最大限に利用し、居心地の良い空間を提供することが計画されています。特に、外装に見える木構造は、訪れる人々に自然の温かみを感じさせるでしょう。
環境に配慮した取り組み
本プロジェクトでは、環境への配慮も重要なポイントです。資材調達から解体までの業務全体を通じて、CO₂排出量や炭素固定量が「OneClickLCA」で算定されるシステムを使用し、持続可能な建築を目指しています。このような取り組みは、地域社会の環境意識を高める役割も果たします。
地域の未来を見据えた文化の拠点
「(仮称)池谷家古民家周辺不動産活用プロジェクト」は、歴史的資産を尊重しながら、新綱島駅を中心に地域の賑わいを創出することを目的としています。プロジェクトに携わる三社は、地域住民や訪問者にとって快適で魅力的な空間を提供することで、地域全体の活性化を図る意向です。
このプロジェクトは、古民家の魅力を活かし、地域を活性化するための新しい試みとして、注目されています。今後の進捗が楽しみです。