授乳支援スタートアップ、Aria Rika株式会社がKSAPに採択
神奈川県真鶴町に拠点を置く授乳支援スタートアップのAria Rika株式会社が、「かながわ・スタートアップ・アクセラレーション・プログラム(KSAP)令和7年度シード編」に採択されたことを発表しました。このプログラムは、スタートアップ企業が社会課題の解決と自社の成長を図るための重要な支援策です。
背景と課題
日本では、産後の母親の約8割が授乳のトラブルに悩んでおり、その影響は産後うつや早期離職につながるリスクが高いとされています。特に、授乳が本来の希望に沿わない形になった場合、母体だけでなく乳児の健康にも悪影響を及ぼす可能性があるため、早期のケアが求められています。ところが、授乳に関する情報や支援が不十分なことから、母親が孤立しやすい現状が続いています。
Aria Rikaの提供価値
Aria Rikaは、国際認定ラクテーション・コンサルタント(IBCLC)を活用したオンライン支援サービスを展開しています。このサービスによって、母親は自宅にいながら専門的なアドバイスを受けることが可能です。実際、海外ではこの支援を受けた母親の母乳育児継続率が2.5倍に向上し、復職後の定着率も94%に達した事例も見られています。
サポートの仕組み
同社は「移動ゼロ」「待ち時間ゼロ」「ママ友のような気軽さ」をモットーに、双方向のコミュニケーションを重視したオンラインサポートを提供しています。地域の産婦人科と連携し、出産前から関係性を築くことで母親が必要な支援に自然とアクセスできる環境を整えています。これにより、母親が意識的に支援を探す必要がなくなり、日常生活の中で自然にサポートを受けられる体制が確立されています。
KSAPプログラムを通じた今後の展開
KSAPでは、以下のような取り組みを進め、実社会での仮説検証を行います。
1.
ユーザー理解
- 母親本人だけでなく、産婦人科医や助産師からもヒアリングを実施し、支援に関するニーズを具体的に把握します。
- サービス利用時の心理的・物理的ハードルを明らかにし、定性的、定量的に分析します。
2.
ステークホルダーとの連携
- 県内の産婦人科や自治体、企業と対話の機会を設け、協業の可能性を探ります。特に、母子手帳アプリや既存の産後ケアとの補完関係を模索しています。
3.
PoCとKPIの設計
- KPI(重要業績評価指標)として、授乳継続率や産後うつのリスク低減、復職率向上などの指標を設定し、評価の精度を探ります。
Aria Rika株式会社の展望
Aria Rika株式会社は、授乳支援サービスを通じて、母親が支援を受けることを当たり前とする新たなインフラを整備していきます。
これからも、医療機関や自治体、企業との密な連携を図り、全ての母親が安心して授乳できる環境作りに貢献していく方針です。
会社情報
- - 会社名: Aria Rika株式会社
- - 所在地: 神奈川県足柄下郡真鶴町真鶴451-10 月光堂ビル
- - 設立日: 2024年7月
- - 公式HP
- - サービスHP
Aria Rikaの取り組みによって、授乳に対する意識や支援の形が変わり、より多くの母親が幸せに授乳期を過ごせる未来が訪れることを願います。