県内高校生の未来を支える『校内キャリアサロン』の成果と展望
通信制高校の生徒たちが直面する進路や将来への不安を軽減するために、NPO法人キャリアbaseが実施している『校内キャリアサロン』は、地道な取り組みの結果として期待以上の成果を上げてきました。本記事では、その詳細な内容と今後の展望についてお伝えします。
校内キャリアサロンとは
NPO法人キャリアbaseでは、2024年6月より、休眠預金等交付金を資金として『高校生世代の子育て家庭「くらしと学びの危機」緊急支援事業』を立ち上げ、2024年9月から2025年2月までの間、通信制高校内での『校内キャリアサロン』を本格的に推進してきました。このサロンは、進路について不安を持つ高校生が信頼できる大人に相談できる場所として設けられています。
サロンは、通信制高校のキャンパス内で毎週1回、対面またはオンラインの形式で開設され、キャリアコンサルタントやカウンセラーなど専門知識を持つ人材が常駐します。これにより、生徒たちは気軽に相談できる環境が整えられました。
活動実績
2024年9月から2025年2月にかけて、22校での導入が実現し、247回のサロン実施と757名の生徒利用という優れた成果をあげ、目標を大幅に上回る利用状況となりました。特に注目すべきは、オンライン職業講話、キャリア教育ガイダンス、保護者向けセミナーなど、生徒に加え保護者や教育者向けのプログラムも充実させている点です。これにより、幅広い家庭との関わりが生まれ、教育の質が向上しています。
校内キャリアサロンの振り返り
事業の振り返りとして、教職員やキャリアサポーターへのアンケートを実施すると、サロンへの満足度が高く、特に生徒の進路選択能力が向上したとの声が多く寄せられました。教職員からは「親でもない、先生でもない第三者の支援がありがたい」という意見や、「生徒自身が進路について考えるきっかけとなった」といった感想もありました。キャリアサポーターからは「生徒の成長を実感できた」という喜びの声が多く、サロンによる成果は双方にとって意義深いものであったことが分かります。
今後の展望
今後、キャリアbaseでは、これまでの成功を受けて『校内キャリアサロン』をさらなる充実を図る方針です。潜在的に支援が必要な生徒に対しても手を伸ばすことを目指し、学校との連携を強化します。「進路未決定のままの卒業をなくす」というミッションを掲げ、確実に支援を届ける体制を整えていきます。また、この活動に共感する方々と共に、さらなる活動拡大を図っていきたいと考えています。
最後に
私たちキャリアbaseは、通信制高校生の社会的自立を支える重要な役割を果たしていく所存です。活動に興味を持たれる方や私たちの理念に共感していただける方々は、ぜひ一緒に活動してください。私たちの取り組みが、県内だけでなく全国の通信制高校生の未来を切り開く一助となることを願っています。