2025年大阪万博で吉野町の林業文化と割り箸体験を紹介

2025年大阪万博で吉野町の林業文化を発信

阪南大学経済学部の櫻井ゼミは、2025年に開催される大阪・関西万博「TEAM EXPOパビリオン」において、吉野町の特徴豊かな林業文化を紹介する機会を得ました。2025年9月19日（金）には展示とステージ発表が行われ、吉野杉を利用した割り箸作り体験を通じて、地域の魅力を都市部に伝えます。

櫻井ゼミの活動について

櫻井ゼミは、2016年から奈良県吉野町と連携し、地域の魅力を発見し発信する活動を続けてきました。これまで、大学祭やフリーマーケット、あべのハルカスでの講演会、さらにはプレイベントとしてセブンパーク天美での取り組みやフリーペーパーの制作・配布を通じて、吉野町の魅力を広める努力を重ねてきました。

万博では、特に吉野杉を使った割り箸づくり体験に焦点を当てています。この割り箸は、建材として使用されない端材を使ったもので、吉野杉特有の美しい木目、心地よい香り、軽さ、強度を実際に体感できる貴重な機会となります。この体験を通じて、吉野町の林業の歴史や、持続可能な森林利用文化についても学ぶことができます。

万博展示概要

- チーム名: 奈良県吉野町と阪南大学
- 共創チャレンジ名: 奈良県吉野町と阪南大学における上下流連系による魅力発信
- 登録URL: 共創チャレンジ登録
- 発表日: 2025年9月19日

- ステージ発表時間: 15:30〜16:00
- 展示時間: 10:00〜21:00
- 発表場所: TEAM EXPOパビリオンステージ（TE Stage）および展示エリアTE1

経済学部の取組

櫻井ゼミでは、「経済地理学の知識を使って地域の活性化を考える」というテーマで活動し、学生は地域の特性に触れながら歴史や文化、自然環境を学ぶ実践的な取り組みを行っています。都市部への情報発信やイベント企画などを通じ、地域の魅力を伝えることを目指しています。

さらに、フィールドワークを通じて地域の課題を発見し、その解決策を探る中で、レポートやプレゼンテーションのスキルを向上させています。学問としては、経済学だけでなく地理学、経営学、文化人類学、歴史学など多岐にわたる知識を横断的に学びつつ、データ収集やGIS★、地図作成などの実践的スキルも重視しています。

この万博を機に、櫻井ゼミは地域と都市を結ぶ活動を一層推進し、経済地理学の学びを社会へ還元していくことを目指しています。また、持続可能な地域活性化を実現するための具体的な活動を展開していく予定です。

吉野町の魅力

奈良県中央部に位置する吉野町は、世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の一部として知られる自然豊かな地域です。特に、山と川に囲まれた環境で育まれた林業は古くから続いており、戦国時代には持続可能な造林が確立されました。吉野杉・吉野桧の木材は、非常に美しい木目と強度を持ち、建材としての需要だけでなく、日常生活での製品作りにも活用されています。

吉野町の林業文化は、戦国時代の城郭や寺社建築の需要に起因し、江戸時代には「山守」や「借地林制度」といった高度な森林管理が行われ、他地域にはない高付加価値の木材を供給する基盤が築かれました。さらに、今回のワークショップで使用する『石州割箸』は、吉野杉を使用した高級割箸で、料理や茶の湯の場でも重宝されています。四面カットの美しい形は、日本の『おもてなしの心』を具現化しています。

これは、地域の魅力を共有しながら、持続可能な未来を考える重要な機会となることでしょう。