PoPoKii、Z Venture Capitalから資金調達
東京のポップカルチャーの中心、丸の内に本社を構える株式会社PoPoKii(ポポキ)が、Z Venture Capital株式会社(ZVC)からのPre-Aラウンド資金調達を行ったことを発表しました。この資金調達は、韓国コスメに特化したブランドとの強固なネットワークと独自の流通力を持つPoPoKiiにとって、大きな一歩となります。
PoPoKiiの急成長
創業からわずか2年半で、PoPoKiiは年間700%の成長を記録し、黒字化も達成しました。これは、同社がLINEの提供する「LINEギフト」を通じて韓国コスメ関連のブランドを大々的に展開してきた結果でもあります。日本オンラインギフト市場において急成長する中、PoPoKiiはZVCとの連携により、新たな事業展開を加速させる計画です。
環境の追い風
韓国化粧品の日本市場への輸出は、年々拡大が続いており、2025年上半期には約51億1,000万ドルに達する見込みです。特に、韓国製品が日本の輸入市場全体の28.8%を占めており、3年連続で最大の輸入国となっています。しかし、Qoo10やAmazonなどの大手ECサイトでは価格競争が激化しており、PoPoKiiが焦点を当てているのは「ギフト」という新しい市場です。この市場では価格よりも、消費者が特別な場面で選ぶ“贈る体験”が重視されており、これに基づいてLINEギフトを中心に需要が増加しています。
ユニークな戦略
PoPoKiiは今後、法人向けデジタルギフトプラットフォームのβ版を年内にローンチする予定です。これにより、企業の株主優待や福利厚生、顧客施策を一元的にデジタル化し、推定2.7兆円規模の法人ギフト市場に新たな基準を示すことで、企業のCRMを強化する狙いがあります。また、日本のブランドを韓国、中国、台湾市場へ展開し、国内主要チャネルの拡大も目指します。
代表のビジョン
代表取締役の金柱亨氏は「PoPoKiiは贈る文化をさらに洗練された形へと進化させ、人と人をつなぐ新しい価値を提供します」と語り、ZVCとの強固なシナジーを活かしてB2Bや海外展開に取り組む姿勢を示しました。
ZVCの見解
ZVCのPrincipalであるサ・ジヘ氏は「韓国の“デジタルでプレゼント”する文化は、商品の多様性や手軽な体験を背景に、世界的にも成熟しています。PoPoKiiのチームはこの韓国独自のプレゼント文化を日本市場に適応させる能力があります。今後、販売ルートや顧客層、展開地域の拡大が期待されます」と述べています。
まとめ
PoPoKiiの資金調達は、同社が今後も成長する可能性を秘めた韓国コスメ市場において、新しいビジネスモデルを創造するための重要なステップと言えるでしょう。消費者にとっての“贈る体験”を大切にしたこの取り組みが、どのように展開されるのか、今後の動向に注目です。