2025年1月10日、紀伊國屋書店が発表した年間ベストセレクション「キノベス!2025」で、朝井リョウの新作長篇小説『生殖記』が栄えある第1位に選ばれました。これは、紀伊國屋書店が過去1年間に出版された新刊の中からスタッフが選定したランキングであり、読者からの期待の高さが伺えます。
『生殖記』は、朝井リョウ氏が『正欲』以来約3年半ぶりに発表した長篇小説で、昨年10月2日に小学館より発売されました。本作は、発売直後からSNS上で熱い反響を呼び起こしました。読者からは、「語り手の正体が衝撃的!」や「何も知らずに読むことができて良かった」といったコメントが次々に投稿され、話題となりました。この反響により、書店の売り上げランキングでは1位を獲得し、増刷を重ねるなど、多くの人々に読まれている作品です。
特に、2023年12月11日にはNHKの「おはよう日本」で紹介され、あらすじが非公開にもかかわらず異例の注目を集めていることから、メディアでも取り上げられる機会が増えてきました。そういった背景からも『生殖記』の影響力の大きさが伺えます。
「キノベス!2025」は、紀伊國屋書店のスタッフが選んだ面白い本をリスト化したもので、全ての作品が読者への強いおすすめです。特に、具体的な内容紹介が公開されていないままでの選出は、一般的には異例とされていますが、作品の導入部や感想が読者の期待を裏切るものであったことを示しています。
さらに、特設サイトでは『生殖記』の冒頭試し読みや、声優の津田健次郎さんによるナレーションの発売記念TVCM、書店員からの感想などが公開され、より多くの読者に作品の魅力を伝えています。この特設サイトは、読者が『生殖記』に触れる良いきっかけとなるでしょう。
カバーにも工夫が施されており、タイトル部分にはホログラム箔を使用し、光の当たり方で異なる表情を見せる特別仕様となっています。視覚的にも印象を残す工夫がなされています。
著者の朝井リョウ氏は、1989年に岐阜県で生まれ、2009年にデビュー以来、多数の賞を受賞している実力派の作家です。『桐島、部活やめるってよ』で新人賞を受賞し、以来『何者』や『正欲』をはじめとした多方面で成功を収めています。今回の『生殖記』も、彼の独自の視点や言葉遣いが生きた作品として、多くの支持を集めています。
このように、『生殖記』はただの小説ではなく、深いテーマが織り込まれた作品として、読者に新たな視点を提供します。今後ますます注目が集まること間違いなしの一冊です。