YKK APが革新的な発電システムの実装検証を開始
YKK AP株式会社は、ガラス型ペロブスカイト太陽電池を使用した建材一体型太陽光発電(BIPV)の実装検証を自社の谷町YFビルで開始しました。この取り組みは、建物の内窓に先進的な太陽電池を組み込むことで、エネルギー効率と持続可能性を高めることを目的としています。
概要
本実装検証は、2024年5月から株式会社関電工との業務提携により、窓や壁面を活用したBIPV技術の開発を進める一環として行われます。これまでYKK APは、複数の実証実験を通じて、さまざまな条件下での太陽光発電の効果を検証してきました。
特に、秋葉原や札幌での実験、さらに東京臨海副都心での取り組みを経て、ペロブスカイト太陽電池を用いたBIPV内窓の可能性を探る中で、様々な環境下での発電効果を確認しています。
実装検証の目的
今回の実証実験では以下の目標が設定されています。
1.
施工から運用開始までの流れの確認: 既存の内窓の撤去から新たなBIPV内窓の施工、系統連系に至るまでの一連の作業を確認すること。
2.
発電システムの検証: ペロブスカイト太陽電池を利用したシステムの設計やパワーコンディショナの導入など、技術的な課題を明確にし、消防法にも適合させること。
3.
発電性能の評価: 熱線反射ガラス越しでの発電性能とビル外観への影響について評価を行うこと。
4.
換気ブレスの影響確認: 外窓と内窓の間で生じる熱に対する換気ブレスの有無が発電に与える影響を調査すること。
実施場所と装置
本検証は、谷町YFビルの6・7階において行われ、6階に13窓、7階に14窓の合計27窓が設置されます。また、使用されるガラス型ペロブスカイト太陽電池は、各窓に1枚ずつ配置され、電気工事は株式会社関電工が担当します。
経済的および環境への貢献
YKK APは、この取り組みによって、窓を通じた断熱(省エネルギー)と発電(創エネルギー)を融合させ、カーボンニュートラルの実現に寄与することを目指しています。持続可能な建材の開発が進む中で、これらの取り組みが未来の都市環境にどう響くのか、期待が高まるところです。
今後、YKK APは実装検証の結果を受けて、より効率的で持続可能なエネルギー利用を実現するための課題に挑戦していくことでしょう。