シェア別荘の進化─都市生活者の新たな選択肢を探る

近年、都市生活者の間で新たな住まいの選択肢として注目を集めているのが、シェア別荘です。従来は富裕層の特権とされていた別荘の概念が変化しつつある中で、株式会社Sanuが提供する「SANU 2nd Home」はその先駆けとなっています。本稿では、シェア別荘の進化とその背景に迫ります。

1. “0.7%から700万人へ”──別荘の新しい価値と関わり方

別荘所有率がわずか0.7%である日本において、シェア別荘の需要が急増しています。SANUによる独自調査によれば、別荘利用に関心を持つ層は約700万人に達しました。これはこれまでの別荘市場では想定できなかった新しい需要を示しています。

2. 「資産」から「もうひとつの家」へ ── 別荘の定義が変わる

近年、所有から共有の価値観への移行が見られ、別荘の定義も変化しています。シェア別荘は、物質的な所有を超えた「もうひとつの家」という観点から、ライフスタイルを豊かにする選択肢として支持されるようになっています。

3. SANU 2nd Homeの利用者実態

SANU 2nd Homeでは、ライフスタイルに応じた4つのサービスが展開されています。1泊からの宿泊利用が可能な「Stay」、月額で利用できる「Subscription」、必要分だけ所有できる「Co-Owners」、1棟をまるごと所有する「Owners」です。それぞれのプランは多様なライフスタイルに対応しており、自然と関わる暮らしを提案しています。

利用者のリアルな体験

実際の利用者は、ファミリーやアクティブシニア、カップルや共働き夫婦など多様です。月に一度、家族で住むように訪れるファミリーの姿や、愛犬と共に過ごすアクティブシニアのライフスタイルが見られます。これらの体験は都市生活では得られない自然とのふれあいを提供しています。

4. SANU 2nd Homeが描く未来

2021年にサービスを開始したSANUは、今や全国に32の拠点を展開。サブスクリプションの継続率は90%を超え、約4割が共同所有に移行するなど、シェア別荘は新しいライフスタイルのインフラとして根付いています。2026年には40拠点、2028年には100拠点への拡大を目指しています。

5. 都市と自然をつなぐ新たなインフラ

2024年に施行される『二地域居住促進法』によって、シェア別荘が都市生活者の生活にさらに浸透することが期待されます。この新しい形の暮らしは、移住のハードルを下げ、関係人口の創出にも貢献すると考えられます。
今後もSANU 2nd Homeは、自然と都市を行き来する新しいライフスタイルの拠点となっていくでしょう。