2025年上半期のテレコム・IT市場動向
NIQ/GfK Japanによると、2025年上半期(1~6月)の家電およびIT市場は好調な成長を見せ、販売額は約3.4兆円に達しました。これは前年同期比で4.6%の増加を示し、4年ぶりに増加に転じたものです。
市場全体の動向
日本の家電小売市場は、数年の減少傾向を経て、ついに回復の兆しを見せました。特に、スマートフォン市場の成長が際立っており、電話関連製品が最も高い伸びを示しています。この背景には、23年末に実施された端末値引き規制が影響し、消費者が駆け込みで購入を決断したことがあります。この影響で、キャリアショップでの販売も前年同期比でプラスに回復しました。
IT関連の製品、特にパソコンも需要が活性化しており、Windows 10のサポート終了を前に買い替え需要が高まっています。生活家電も若干前年を上回る販売を記録しましたが、AV関連やカメラは前年を下回る結果となりました。
個別製品のトレンド
6月には日本全体で記録的な高温が観測され、エアコンの需要が例年より早く増加しました。これが市場全体の回復に寄与しています。しかし、BDレコーダーの販売は引き続き減少しています。
ヘッドホンやヘッドセットの販売数量は前年比で2%増の920万本に達しました。特に、耳を塞がずに長時間使用できるオープンイヤー型は前年比35%も伸び、注目を集めています。完全ワイヤレスイヤホンも引き続き好調ですが、その成長は落ち着きを見せている模様です。
テレコム市場の回復
テレコム市場では、携帯電話の販売が前年比10%増の1250万台となり、その90%をスマートフォンが占めています。技術の進化によるバッテリーの持続力の向上が、市場回復の一因とされています。また、カメラや音声アシスタント機能が積極的にアピールされ、スマートフォンの人気を後押ししています。
IT・オフィス市場の成長
パソコンとタブレット市場も前年比で成長を遂げ、特にパソコンの需要は26%増の1320万台となりました。法人向け市場での成長が目立ち、GIGAスクール構想による影響が大きいと見られています。このように、IT関連市場は活況を呈しており、特に新製品の導入が積極的に行われています。
結論
2025年の上半期において、テレコム・IT市場は全体的に好調な成長を遂げています。スマートフォンやパソコンの需要が増加しており、特にエアコンや生活家電の販売も例年より高い数字を記録しました。下半期については、前年の規模をやや下回る可能性がありますが、上半期の好調さが全年度にわたって市場を下支えすることが期待されています。
このような市場動向を鑑み、企業や消費者は今後の購入計画を見直す必要があるかもしれません。テクノロジーの進展に合わせて、消費者のニーズも変化しているため、今後の動向に注目です。