古武術の知恵が日常生活を変える
日常生活において、動作をスムーズにし、体の疲れを軽減するために「古武術」の知恵が注目されています。古武術とは、室町時代から伝わる剣術や体術など、武術全般を指します。その特徴的な動きは、筋力に頼らず無理なくできるため、特にスポーツ選手の間で注目を集めています。しかし、古武術の知恵はスポーツだけにとどまらず、一般の人々の日常生活にも大いに役立つのです。
古武術の実践方法
NHKの人気番組『趣味どきっ!』から派生した本誌では、古武術の具体的な体の使い方を紹介し、日常生活をもっと快適にするための方法を解説しています。
1. ラクに立ち上がる方法
椅子に座った状態からラクに立ち上がるためには、上半身の動きを活かします。頭の重さを利用し、自然とお尻が浮く動きを促すことで、力みなく立ち上がることができます。具体的には、次の手順です:
1. 椅子に座り、上半身を前に倒す。
2. 頭の重みを感じながら、お尻が浮くのを待つ。
3. 自然に立ち上がる。
このようにすることで、普段の動作が楽になり、体全体の負担を減らすことができます。
2. 固いフタを開ける方法
手を使う際も、古武術の知恵が活かせます。フタを開ける時、中指から小指を使い、特に薬指と小指をフタのふちに添えます。この時、肩に力を入れずに腕をひねることで、全身を使ってラクにフタを開けることが可能です。どうしても固いフタに苦労する場合でも、正しい力の入れ方さえ理解すれば、思わず驚くほど簡単に開けてしまうでしょう。
3. 電車内での立ち方
公共交通機関においても、古武術の体の使い方を意識すれば、ふらつくことなく安定した立ち姿勢をキープできます。ポイントは、足裏を柔らかく接地し、お尻を引き締めること。これにより、満員電車の中でも安心して立っていることができます。
介護の現場で役立つ古武術
さらに、古武術は介護においても活用できます。介護に従事する方々に向けて、「古武術介護」という新しい提案がなされており、介護技術の改善に使われています。この介護法では、現場で実践的に役立つ体の使い方を紹介し、双方が快適に過ごせる方法を探ります。
4. 寝返りのサポート
介護を行う際には、要介護者が寝返る動作をサポートする方法があります。介護者は、要介護者の腕を組み、ひざを立てながら寝返る方向を向いてもらいます。その後、介護者は骨盤を上げながら手を添えていくことで、自然の流れで寝返りを起こさせることができます。これにより、介護者の負担が軽減され、要介護者も心地よく動作を行うことができます。
専門家による監修
本誌では、古武術研究の権威である甲野善紀氏、身体教育家の林久仁則氏、そして理学療法士の岡田慎一郎氏によるインタビューも掲載。現代社会と古武術の関係について迫ります。特に甲野氏は、現代社会が抱える問題について独自の視点から鋭い洞察を提供しており、興味深い内容が盛りだくさんです。
まとめ
『NHK 趣味どきっ! 日々の暮らしに活かす古武術の知恵』は、日常生活を快適に過ごしたい方にとって必携の一冊です。古武術の知恵を取り入れ、体の動かし方を見直すことで、日常生活をより豊かに過ごしてみてはいかがでしょうか。発売は2024年7月24日。定価は1430円(税込)です。ぜひ手に取ってみてください。