双日が米国でテイクアウト寿司事業を取得
双日株式会社は、米国市場における寿司事業の拡大を狙い、100%子会社の双日米国会社を介して、Sushi Avenue Inc.から全事業を買収しました。これにより、双日は水産食品のバリューチェーンを強化し、アメリカ国内での事業展開を加速させます。
米国の寿司市場の動向
近年、米国では従来の高級レストランなどに限らず、学校の食堂などでも寿司が提供されるなど、寿司の一般化が進んでいます。市場規模は既に日本の約1.6倍に達しており、寿司の需要が今後ますます高まることが予想されます。特にカリフォルニアロールの人気に続き、握り寿司の需要も増加する見込みです。
Sushi Avenueは、米国の20州以上のスーパーマーケットでテイクアウト寿司を販売しており、新鮮な状態で調理された寿司を供給しています。その中でも、プライベートブランドの開発を通じて、各店舗のニーズに合った商品を提供することが強みとなっています。
双日と水産事業の取り組み
双日では、マグロの養殖事業や加工業、そして水産物の卸売を行う双日食料など多岐にわたる水産事業に取り組んできました。これにより、国内外からの調達力を強化し、商品開発力を高めてきました。2022年には水産食品加工企業のマリンフーズを傘下に組織し、2023年には冷凍マグロ加工のトライ産業をグループ化しました。さらに、2024年1月には新たな海外拠点MFアメリカの設立も予定しています。
今後の展開
Sushi Avenueの成功に続いて、マリンフーズは豊富な寿司ネタの供給力を活かし、定番のマグロやサーモン以外の寿司ネタを取り入れた商品開発を進めていく計画です。こうした展開を通じて、双日は米国の消費者の嗜好を捉えた新たな寿司業態の創造に向けて、ロイヤルホールディングスや銚子丸と連携しながらSUSHI-(スシ)-TEN USA Inc.を立ち上げました。
双日は今後も「お客様起点のビジネス」を基盤に、フードバリューチェーン構築を進め、新たな市場ニーズに応える商業展開を継続する考えです。これにより、多様化する消費者ニーズへの対応と共に、水産食品のバリューチェーンの拡大を目指しています。
企業情報
Sushi Avenue Inc.
- - 設立: 2004年
- - 所在地: 895 Blue Gentian Rd, Eagan, MN, 55121
- - 代表者: Nay Hla
- - 主な事業内容: 米国におけるテイクアウト寿司事業の運営
- - Webサイト: Sushi Avenue
MFアメリカLLC
- - 設立: 2024年
- - 所在地: 1050 SW 6th Avenue, Suite 1200, Portland, Oregon, 97204
- - 代表者: 小池 健一
- - 主な事業内容: 水産物の卸売
このように、双日は水産事業のための戦略的な動きを続け、今後の成果を期待されています。