双日、アイルランドで再生可能エネルギー事業に参入
双日株式会社は、アイルランド市場での再生可能エネルギーに特化した電力小売事業「Pinergy」の株式を取得する契約を結びました。今回の参入は、欧州内での電力小売事業への対応を強化するものであり、双日が持つ専門的な知識を生かしています。
新たな市場での挑戦
新規事業は、スペインに続く双日の欧州市場での挑戦です。この取引で、「Pinergy」はNexus Energiaと連携し、2025年初頭を目処に、Nexusの持分を含む98%の株式を取得する予定。この動きは、アイルランド当局からの認可が前提となりますが、双日グループの一員としての機能を強化する狙いがあります。
Pinergyの展望と実績
2013年設立の「Pinergy」は、100%再生可能エネルギーを供給する電力小売会社で、主に法人向けにサービスを提供しています。特に陸上風力からの電力調達が得意であり、2023年には売上高が前年比38%増の2億1,500万ユーロに達しました。この成長は、デジタル化が進行する中でのエネルギーマネジメントサービスのリーディングカンパニーとしての地位を確立する要因ともなっています。
アイルランドのエネルギー需要
アイルランド政府は、2030年までに再生可能エネルギー比率を80%に引き上げる目標を定めています。しかし近年では、データセンターの進出による電力需要の増加が顕著です。これに対抗する形で、Pinergyはエネルギー効率を重視したサービスを提供し、一般世帯約20万世帯に相当する840GWhの年間電力を販売しています。
省エネルギーと脱炭素化への取り組み
双日は、Nexusが持つ高度な運営ノウハウをPinergyに導入することで、より効率的なエネルギーサービスを実現し、地球温暖化の影響を軽減する脱炭素化目標への取り組みを加速させる方針です。また、各国でのM&Aを通じて地域の拡大や機能の強化も目指しています。
未来に向けた成長ストーリー
国内外で培った知識と技術を活かし、双日は再生可能エネルギーの発展に寄与していく計画です。「Pinergy」を通じて提供するエネルギーソリューションは、単なる電力供給を超えて、包括的な省エネルギーサービスへも進展する見込みです。これにより、双日は確固たる成長を実現し、CO2排出の削減を通じてネットゼロ社会の実現に貢献することを目指します。
今後の双日の動きや、Pinergyの更なる成長に注目です。