R65不動産が高齢者見守りサービス『らくもり』を承継
株式会社R65不動産(本社:東京都港区)は、電力データを活用した高齢者の見守りサービス『らくもり』を、同サービスの開発・運用を行う株式会社GDBL(本社:東京都千代田区)から2025年9月30日に承継することが合意されました。これにより、R65不動産は『らくもり』の開発、運用、販売を一体化することで、顧客や社会のニーズによりスピーディーに応える体制を整えることになります。
高齢者が賃貸を借りにくい現状
日本は世界でも有数の高齢化社会でありながら、孤独死による物件価値の低下といった懸念から、高齢者が賃貸住宅を借りることが難しい状況が続いています。警察庁の統計によると、2024年には約8割が65歳以上の一人暮らしの高齢者が自宅で亡くなるという衝撃の報告があります。また、R65不動産が行った調査では、65歳以上の高齢者の約26.8%が賃貸住宅への入居を年齢を理由に断られた経験を持っています。この結果から、高齢者が安心して暮らせる住まいの確保が急務であることがわかります。
国もこれに応えるべく、2024年には「住宅セーフティネット法」の改正が成立し、2025年10月1日に施行されることとなりました。この法改正により、高齢者の住まいの提供がよりスムーズになることが期待されています。
R65不動産の取り組み
R65不動産は設立以来、高齢者が賃貸を借りることに起因するさまざまなリスクを解消することを目的としてきた不動産会社です。また、GDBL社は電力データを利用することで社会課題の解決を目指しており、両社は2023年12月より電力を基にした見守りサービスの実証実験を開始しました。この実証を通じて、高齢者の住まい確保に関する共通の課題を解決するための需要を確認しました。
実証の結果、オーナーからのニーズには「安心して高齢者を受け入れられる仕組み」があり、高齢者側からは「見守りサービス付き物件を増やしてほしい」との声が寄せられました。その結果を受けて、GDBL社は2024年7月にサービス『らくもり』の正式開始を決定し、R65不動産はその普及に尽力してきました。
さらなるサービスの向上
今回の吸収分割により、R65不動産は『らくもり』の販売だけでなく、開発や運用も一手に引き受けることが可能になります。この体制により、現場の声を迅速にサービスに反映させ、高齢者も好ましい場所に住み続けられる社会の実現を促進していきます。
『らくもり』のサービスについて
『らくもり』は、電気の利用状況が「いつもと違う」と判断された場合には、入居者や見守り者に安否確認の連絡を行う仕組みです。特定の電気事業者に依存せず、契約の変更も不要で、安心して利用できるのが大きな特徴です。
販売パートナーの募集
R65不動産では、不動産管理会社や保証会社を対象に「販売パートナー」を募集しています。この『らくもり』を通じて、オーナーの懸念を解消し、高齢者を受け入れるための新たな収益の確保を図ることが可能です。
代表者のコメント
株式会社R65の代表取締役、山本遼氏はこの供給承継に対して、「見守りは収益を目的とした事業ではなく、高齢者の住まい確保の仕組みとして非常に重要」と述べ、孤独死による資産価値の低下リスクを軽減することに対して全力を尽くす決意を示しています。
一方、GDBLの代表、柳瀬徹氏は、見守りサービス『らくもり』がR65不動産のもとでさらに成長し、業界の課題解決に寄与することを願っています。新しい体制で、両社が持つ専門知識をもとに、高齢者が安心して暮らせる社会づくりに向けた展望が広がっています。