ニューベリー賞作家の最新作
著者ロイス・ローリーによる新作『ふたりのソフィー』が5月15日に刊行される。この作品は、77歳も年の離れた親友との絆を描いた感動的な物語であり、少女が成長していく過程を、巧みなストーリーテリングで印象的に描いている。
主人公と老友の出会い
物語の主人公は、11歳の少女ソフィー。彼女は利発で早熟ではあるが、同世代の女子たちが興じるおしゃれや男子の話題にはなかなか馴染めないでいる。そんな彼女の唯一の親友は、近所に住む77歳の老婦人、同じ名前のソフィー。彼女は快活で見識豊かな女性であり、少女にとっては最良の相談相手である。
老ソフィーの危機
しかし、最近老ソフィーの様子が変わってきた。物忘れがひどくなり、火の不始末を起こすことも。息子は彼女を施設に入れることを考え始め、そのことを知った少女ソフィーは心を痛める。このまま大事な老友を失うわけにはいかないと、彼女は同世代の友人たちとともに“記憶維持作戦”を立ち上げる。
戦争の記憶と深まる絆
作戦を通じて、少女ソフィーは老友の重い過去、特に戦争体験について知ることになる。その中で彼女は、単なる親友以上の深い絆ができていく。記憶の重要性や友情、愛についての考えを深めながら、ソフィーは大人への一歩を踏み出すことになり、感情的な成長を遂げていく。
現代に響くテーマ
本作では、認知症や戦争の記憶といった現代の重要なテーマを取り上げており、いたって身近な11歳の少女の視点から描かれている。このようなテーマを通じて、読者に深いメッセージを届けている。
ニューベリー賞とは?
ロイス・ローリーは、米国で最も権威のある児童文学賞、ニューベリー賞を2度受賞した作家である。これは1922年に創設され、世界で最も歴史ある児童文学賞の一つとして知られている。彼女の作品は、数々の書店や図書館でも特別なコーナーが設けられるほどに、受賞作としての位置を確立している。
書籍情報
『ふたりのソフィー――77歳はなれた親友――』は、ロイス・ローリー著、島津やよい訳で2025年5月15日に全国書店、及びネット書店で発売される。価格は1,980円(税込)。これを機に、多くの人にこの素晴らしい物語が手にされることを願ってやまない。
著者について
ロイス・ローリーは1937年にハワイで誕生し、その少女時代を東京・代々木で過ごした。彼女は『ふたりの星』と『ギヴァー 記憶を注ぐ者』でニューベリー賞を受賞し、50冊以上の児童書を著して世界中に多くのファンを持つ。代表作『ギヴァー』は1200万部以上のセールスを誇り、2014年には映画化もされ話題を呼んだ。
この機会に、ロイス・ローリーの作品をぜひ手に取ってみてほしい。彼女の持つ独特な視点と感性が詰まった本作『ふたりのソフィー』は、読む者に感動を与えることでしょう。