東京ガス、水電解装置の低コスト化に向け米スタートアップ企業H2Uテクノロジーズ社に出資
東京ガス株式会社は、100%出資子会社であるアカリオ・インベストメント・ワン社を通じて、水電解装置の低コスト化に向け、独自の触媒探索技術を持つ米スタートアップ企業H2Uテクノロジーズ社に出資すると発表しました。
水電解装置は、水素製造の重要な技術であり、脱炭素化社会の実現に向けて世界中で開発が進められています。しかし、従来のPEM形水電解方式では、高価なレアメタルであるイリジウムを使用することが課題となっていました。
東京ガスは、この課題を解決するため、2023年2月よりH2U社と共同で、安価でレアメタルを用いない新規触媒の開発を進めてきました。これまでの共同開発では、1年で2万個の触媒サンプルを合成し、性能と耐久性の評価を行いました。さらに、蓄積されたデータを活用し、AIを用いた触媒探索も行ってきました。
今回の出資と協業により、東京ガスはH2U社の技術を活用し、より広範囲な触媒探索を行うことで、高性能な触媒の開発を加速させます。将来的には、非イリジウム触媒を用いた水電解装置の実用化を目指し、安価な水素製造コストの実現を目指します。
H2Uテクノロジーズ社の技術
H2U社は、独自開発した触媒探索エンジン「CDE」とAI技術を活用することで、高活性かつ低コストな触媒を効率的に探索することが可能です。この技術により、従来の触媒開発では困難であったレアメタルを使わない高性能触媒の開発を可能にします。
東京ガスの取り組み
東京ガスは、グループ経営ビジョンで掲げるCO2ネット・ゼロの実現に向けて、「カーボンニュートラルロードマップ2050」を策定し、責任あるトランジションを進めています。今回の出資と協業は、水素エネルギーの利用拡大に向けた取り組みの一環であり、政府が掲げる2050年カーボンニュートラル実現に貢献していくことを目指しています。
まとめ
東京ガスは、H2U社との協業を通じて、水電解装置の低コスト化と水素製造コストの低減を目指します。この取り組みは、脱炭素化社会の実現に向けて重要な一歩となるでしょう。