希少疾患ムコ多糖症IIIB型にJR-446がオーファンドラッグ指定

JR-446がオーファンドラッグに指定されました

株式会社メディパルホールディングスとＪＣＲファーマ株式会社は、共同開発中の新薬JR-446が、欧州委員会（EC）からムコ多糖症IIIB型に対するオーファンドラッグとして指定されたことを発表しました。この指定により、JR-446は今後の開発に向けて重大な支援を受けることが期待されます。

ムコ多糖症IIIB型とは

ムコ多糖症IIIB型（サンフィリッポ症候群B型）は、ライソゾーム病のひとつであり、重篤な神経系の障害をひき起こす疾患です。2023年現在、世界の患者数は推定500〜1,000人という超希少疾患であり、現在、承認された治療法は存在しません。この病気は、ヘパラン硫酸の分解に必要な酵素であるNAGLU遺伝子の異常によって引き起こされ、脳内にヘパラン硫酸が蓄積することで進行する神経症状が特徴です。

症状には、睡眠障害、言語能力の喪失、行動の変化などがあり、患者の生活の質に深刻な影響を与えます。

JR-446の開発経緯とその特性

JR-446は、独自の血液脳関門通過技術「J-Brain CargoⓇ」を使用しており、非臨床試験ではMPS IIIBに関連する症状への効果が確認されています。現在、両社は日本において臨床第I/II相試験（JR-446-101）を進めており、着実に開発を進めています。

2023年9月に、メディパルとJCRはJR-446のMPS IIIBを対象とした海外事業化に関する実施許諾契約を締結し、今後の展開が期待されています。

欧州委員会の支援

JR-446がオーファンドラッグに指定されたことで、様々なインセンティブを受けられることとなります。これには、開発にかかる経費の一部が免除される他、上市後の10年間の市場独占権や、科学的助言などの支援が含まれます。この指定は、患者に希望をもたらす重要な一歩となります。

結論

JR-446は、ムコ多糖症IIIB型という超希少疾患に対する新たな治療法として期待されています。このオーファンドラッグ指定は、今後の開発に向けた大きな前進であり、治療を必要とする多くの患者に希望をもたらすことができるかもしれません。メディパルとJCRの共同開発が、患者の生活の質を向上させるための鍵となることを期待しましょう。

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