新潟県新潟市に位置する国際調理製菓専門学校では、2023年8月1日、パティシエ学科の2年生が地元・弥彦村の小麦を使用したパン販売実習を開催しました。この実習は、開校以来毎年行われている伝統のある取り組みです。
毎年、1年生で培った基礎を経て、2年生となった学生たちは製菓や製パンのいずれかのコースを選択します。そして、今回は製パンコースを選んだ学生たちによる最初の販売実習です。これには地域の特産物を活かす取り組みが多く含まれています。
学校は新潟県弥彦村と包括連携協定を結んでおり、地域密着の活動を推進しています。最近では、弥彦村の田園で特産の「伊彌彦米」を活用した田植えや稲刈りの実習も行っています。さらに、本校は新潟県内の専門学校として初めて、今年の6月には小麦の収穫体験も実施しました。
販売実習では、学生たちが実際に収穫した小麦を用いながら、パンの製作に取り組んでいます。この特別な経験の中で、学生たちは地域とのつながりを深めています。
リーダーを務めたパティシエ学科の渡部真朱さんは、販売実習に向けた心配事について「お客様に満足していただけるものが提供できるかどうかが一番の心配事でした。猛暑の中、並んでいただくお客様に少しでも快適に過ごしていただけるように配慮をしました」と話します。
また、地元の弥彦産の小麦や枝豆を使ったパンを制作する際には、特性や味を最大限引き出す工夫を行ったとのことです。“新潟県産の枝豆パン”は、あっという間に完売したというエピソードには、地域の魅力と学生たちの努力が伺えます。
販売実習は、すべての商品が完売となり、渡部さんは「予定していた商品がすべて完売してくれてとても嬉しかったです。また、弥彦との取り組みを理解してもらえるようなディスプレイを工夫しました」と喜びを表現しました。次回の販売実習にも意欲を燃やしています。
国際調理製菓専門学校は、調理師免許や製菓衛生師、栄養士といった国家資格が取得できる多様な学科を持つ、食の総合校です。実践的な教育を重視し、食材教育や人間性教育、国際教育を通じて次世代の人材を育成しています。
参加した学生たちには、このような実習を通じて地域の人々との交流や、製品を作る喜びを体験する機会が豊富に与えられています。こうした取り組みがあるからこそ、学生たちは地域に根ざした食の重要性を学び、将来的に自らの道を歩むための糧となるのでしょう。このように、国際調理製菓専門学校は地域との絆を深め、豊かな食文化を育むための活動に尽力しています。