スーダンにおける民間人への暴力の激化
スーダンでは、スーダン軍(SAF)と即応支援部隊(RSF)による戦闘が続いており、その結果、多くの民間人が戦争の犠牲となっています。民間人は市場や住宅地での暴力に巻き込まれ、避難を余儀なくされる事態が頻発しています。
医療現場のひっ迫
国境なき医師団(MSF)は、新年早々から活動を強化し、南ダルフール州、北ダルフール州、そしてハルツーム州の3つの地域で重傷者に対する対応に追われています。特に南ダルフール州の州都ニヤラでは、突如として空爆が行われ、壊滅的な被害がもたらされています。2月4日には、食用油工場が攻撃され、21人が負傷、25人が死亡したとの報告があります。
35秒以内の出来事で、数十人が病院に搬送されました。MSFの医師は、「爆撃の衝撃で病院が揺れ、救急救命室は血だらけでした。多くの子どもたちが命を失い、家族を失った悲しい現実を目の当たりにしました。」と述べています。2歳と4歳の兄弟が生き残り、その理由は父と兄が仕事に出ていたからであったということが、さらに状況を深刻にしています。
特に脆弱な北ダルフール州
北ダルフール州の州都エル・ファシールでも、民間人が頻繁に犠牲になっています。戦闘が繰り広げられる中、MSFは、多くの避難民が集まるザムザム・キャンプで医療支援を行っています。ここでは、エル・ファシールの村シャグラから逃げてきた患者21人が運ばれ、そのうち半数以上が子どもだったといいます。
道路破壊が進む中で、外科手術を受けるための移動が困難になっており、ひどい状況が続いています。負傷者が次々と運ばれてきているものの、医療施設が十分な対応をできない状況です。
やはり深刻なハルツーム州
首都ハルツームでは、状況がさらに悪化しており、RSFによる攻撃が続いています。2月4日には、MSFが支援するアル・ナオ病院の近くで爆発が起こり、38人が負傷する事態に。保健省の報告では、54人が死亡したとも言われています。
MSFの緊急対応マネージャー、オザン・アグバスは、「この国全体で起こっている民間人への暴力は恐ろしい状況であり、医療従事者も危険にさらされている」と警鐘を鳴らしています。彼は、全ての紛争当事者に対して民間人を守るよう求め続けています。
結論
スーダンでの情勢は極めて困難であり、多くの人々が無辜の市民としての権利を脅かされています。国境なき医師団の活動は、この暴力の中でも希望の光となろうとしていますが、その活動の背後にある悲惨な現実を忘れてはなりません。私たち一人ひとりが、この問題に対する関心を持ち続けることが求められています。