VRによる小児がん治療支援の新プロジェクト
広島市に本社を置く株式会社ビーライズは、広島大学病院が推進する小児がん患者向けの治療支援VRコンテンツ「VRはたらく細胞」の制作に参加することとなりました。このイニシアティブは、子どもたちが体内で起きることをアニメ『はたらく細胞』のキャラクターと共に体験し、治療に対する理解を深めることを目的としています。
プロジェクトの背景と意義
小児がんは毎年2,000人以上の子どもが発症し、その治療は非常に厳しいものとなっています。がん細胞を完全に排除するためには、高度な治療を耐え抜かなければならず、また長期入院が避けられない場合も多いのです。このなかで、子どもたちは「なぜ治療が必要なのか」を理解できないまま過ごすことになりがちで、メンタルケアが重要な課題として指摘されています。
『はたらく細胞』の魅力
『はたらく細胞』は、体内の細胞を擬人化し、彼らが働く様子を描いた漫画作品です。白血球や赤血球などのキャラクターが、免疫反応や病原体との闘いを通じてストーリーを展開します。この作品は、子どもから大人まで多くの人々に親しまれ、高い評価を得ています。
VRで体験する体内の冒険
このVRコンテンツでは、ユーザーが小さくなり自身の体内に入り、赤血球と共に酸素を運び、白血球と一緒に細菌と戦うというユニークな体験が可能になります。これにより、治療を受ける子どもたちは、目に見えない「味方」である体内の細胞たちがどれだけ頑張っているかを身をもって感じることができるのです。これが、治療への前向きな意識や、身体への理解と信頼、さらには「ひとりじゃない」という安心感を生むことが期待されています。
ビーライズのビジョン
ビーライズは「人類の物理的な制限を、デジタルの力で超えていく」とのミッションを掲げ、XR技術に基づいた社会課題の解決を目指しています。医療分野では、XRを用いた診療支援や教育、メンタルケアにおけるイマーシブ体験の提供に積極的に取り組んでいます。このプロジェクトは、XR技術を通じて「理解」「共感」「希望」を創出できることを示すものとなります。
社会への貢献
ビーライズは、これからもAIやデジタルツインとの融合によって、より良い医療環境の構築や持続可能な社会の実現に向けて努力を続けていきます。子どもたちが安心して治療を受けられる環境を整えることこそが、未来を担う子どもたちへの最大のサポートであると信じています。