最近の調査によれば、中古車販売業界が厳しい状況に直面していることが明らかになりました。2025年の1月から5月にかけて、負債が1000万円を超える中古車販売店の倒産件数は、なんと50件に達しました。この数字は前年同期の32件から56.3%も増加しており、過去最高のペースで倒産が続いていることが示されています。このままの流れが続くと、年間の倒産件数が100件を超える見込みです。
このような状況に至った背景には、いくつかの要因が存在します。特にコロナ禍以降、中古車の仕入れ価格が急騰したことが業界に打撃を与えています。市場に流れる新車の数が減少したことや、半導体不足が生産に影響を及ぼし、新車の供給が鈍化していることも一因です。そのため、中古車の需要は相対的に堅調な推移を見せていますが、円安の影響で海外への輸出が活発化し、中古車の相場も高騰しています。これが小規模な販売業者にとっては仕入れの負担を増大させ、経営を圧迫する要因となっています。
都道府県別に見ると、最も多くの倒産が発生したのは東京都、埼玉県、愛知県で、それぞれ5件報告されています。続いて北海道と神奈川県が各4件で、地域による影響も少なからず見舞われています。興味深い点は、倒産した店舗の多くが5000万円未満の負債を抱えており、全体の66.0%を占めるということで、比較的規模の小さい業者の倒産が目立っています。実際、全体の80%が1億円未満の負債を持つ業者です。
また、業界内では新車の生産が徐々に回復しつつあるにも関わらず、中古車の輸出は依然として好調で、供給状況が混乱しています。商品のラインナップが減少したことで、販売にも痛手が及ぶ業者が続出している現状です。中古車販売店の景気DI(景気動向指数)は39.1と、27カ月ぶりに40を下回っており、今後も物価高や代金未払いの問題など、業界のイメージ低下が進む可能性が懸念されています。
このような厳しい環境の中で、どのようにして中古車販売店は生き残りを図るのか、その動向に注目が集まるところです。今後も倒産件数は高い水準で推移する見込みで、多くの業者が直面する課題への対策が急務と言えます。中古車市場の回復を支えるためには、業者だけでなく、消費者や行政も一緒に取り組んでいく必要があるでしょう。