パリ・ファッションウィークで光り輝くHERALBONYとANREALAGEのコラボ
2025年9月30日、パリ・ファッションウィークに於いて、株式会社ヘラルボニーが展開するブランド「HERALBONY」が、ANREALAGE(アンリアレイジ)の2026年春夏コレクションのランウェイショーで新たなコラボレーションルックを発表しました。ショーはパリのセーヌ川沿いに位置する現代アートの中心地「Palais de Tokyo」で開催され、18名の契約作家による21点のアート作品がランウェイを彩りました。
アートを通じた生命の可視化
コレクションのテーマは「生命の可視化」。障害のある作家たちが手掛けたアートは、ただの装飾ではなく、命の本質そのものを映し出しています。ヘラルボニーの契約作家たちは、特に彼らの日常生活からインスパイアを受け、心臓の鼓動のような有機的な表現を通じて、観客に深い感動を与えました。
音楽で魅せる新たな体験
ショーの音楽は、元Daft Punkのトーマ・バンガルテル氏が手がけました。彼は、障害のある作家たちの日常音と心臓の鼓動を織り交ぜた独自のサウンドトラックを制作。この音楽は、観客に彼らの生きるリアリティを伝え、ショー全体を一つの生命体のように感じさせました。フロントロウには、決して忘れられないパフォーマンスを見守る二人の作家、鳥山シュウ氏と中川ももこ氏が座り、彼らの励ましが一層の感動を生み出しました。
美の境界を探る
ANREALAGEの森永邦彦デザイナーは、同じ場所にいながらも見える景色が異なることに着目しました。彼は、「私たちの目に映る風景」と「他者の目に映る風景」というテーマを通じ、ファッションを介して『違い』の美しさを表現しました。服は生命の表現であるかのように、動き、膨らみ、観客を驚かせました。
環境を考えた製作への取り組み
本コレクションのルックに使用される生地は、京セラドキュメントソリューションズの持続可能な捺染インクジェットプリンター「FOREARTH」により制作されました。この技術は、従来のプロセスから環境負荷を大幅に削減しています。アートの緻密な再現を叶えつつ、環境への配慮もなされた製品は、ファッションの未来に対する指針を示すものとなっています。
コレクションを記念したアイテムが登場
コレクションの成功を受け、ヘラルボニーはANREALAGEとのコラボレーションアイテムを販売予定です。アートを取り入れたTシャツやベースボールシャツが、2026年3月に受注生産で届けられます。この商品は、アートとファッションの交差点に立つ新たな試みと位置付けられています。詳細は公式サイトで確認できます。
未来の美を探求する
今後、私たちが「美しい」と感じるものは一体何なのか。パリ・ファッションウィークの舞台裏を通して、私たちはその問いに向き合うことができました。HERALBONYとANREALAGEが生み出した作品は、視覚だけでなく心に深く響くものとなりました。ファッションの未来は、心に潜む感情や文化の重なりの中に存在するのかもしれません。これからも、彼らの表現を見守っていきたいと思います。