MVV浸透が企業の成長を促進する理由
人的資本経営が近年注目される中、企業のMission・Vision・Values(MVV)は単なるスローガンではなく、社員の行動に浸透することが求められています。MVVを策定するだけでは逆効果に繋がり、実際には企業のエンゲージメントや成長を妨げる可能性があるのです。
MVVの形骸化が引き起こすリスク
多くの企業はMVVを掲げていますが、その多くは現場に浸透していないケースが見受けられます。特に、MVVが形骸化してしまうと、既存社員は「上が決めた方針」ととらえがちで、現場の士気を下げる要因となります。これにより、組織内に「やらされ感」が生まれ、エンゲージメントが低下することも懸念されます。また、新入社員、特にZ世代は企業の社会的意義を重視して入社するため、期待に反した実態が早期離職に繋がることもあります。
MVV浸透の必要性
MVVを浸透させるための工程は多岐にわたりますが、最も重要なのは「社員自身が関わり、自らMVVを言語化するプロセス」を経ることです。株式会社Qandでは、このためにワークショップ形式のイベントを実施しており、受講者が自分ごととしてMVVを捉えることを促しています。こうしたアクションが、組織文化の変革を促進します。
社員がMVVを受け入れるためには
1.
アウトプット重視:社員がMVVを自分の言葉で説明できるようなサポートを行う。
2.
グループディスカッション:受講者同士で意見を交わし合うことで、MVVの理解を深める。
3.
アクションプランの策定:具体的な行動計画を立て、実践に移す。
このようにすることで、MVVは形だけのものではなく、社員に浸透し、日々の業務の中で実際に使われる基準となります。
MVV浸透が成功しない理由
浸透しないMVVが引き起こすダメージは多岐にわたります。たとえば、入社後にMVVへの期待が裏切られる「早期離職」、共感を抱いて入社した人材が感じる「採用ミスマッチ」、社員の不信感による「エンゲージメントの低下」、さらには「ブランド毀損」にまで影響を及ぼすことがあります。
特に、MVVが単なるポスターや社内報で終わってしまい、トップだけが熱心で現場が取り残される状況は、組織全体の冷え込みに直結します。このような状態になると、社員の自発的な取り組みが減少し、結果として企業の価値全体が下がってしまいます。
社会背景と今後の展望
近年、コロナを境に「広義の安定」が崩れ、社員は自分が共感できる企業を選ぶ時代に移行しています。このような状況下において、MVVや人材資本開示が重要視されるようになっています。
企業は、(1)MVVを制定し、(2)実施することで初めて意味を持ち、自社の信頼性を高めることができます。MVVの実到達は、単なるスローガンではなく、日々の意思決定や行動にまで根づく必要があります。
まとめ
MVVは「作ること」だけでなく「浸透させること」が本質です。これにより、MVVは企業にとって強力な武器となり、未来を支える基盤となります。企業の成長と社員のエンゲージメントを促進するために、MVVに対する理解と実践が欠かせません。
会社概要
- - 社名: 株式会社Qand(クアンド)
- - 所在地: 東京都港区芝5丁目36番4号札の辻スクエア9F
- - 代表者: 代表取締役青木 玄
- - 事業内容: 組織開発支援、カルチャー変革、チームビルディング、MVV浸透プログラムの企画・実施
- - URL: Qand公式サイト