九州大学病院が「ユビー生成AI」を導入
福岡県東区に位置する九州大学病院は、Ubie株式会社と共同で、生成AIのDPC業務支援機能の検証に着手しました。この取り組みは、最新の技術を活用して医療業務の効率化を図るものです。九州大学病院は、最先端の医療を提供する教育機関として、臨床研究の中核を担い、西日本における医療の重要な拠点としての役割を果たしています。病院長の中村雅史氏は、今回のAI導入が医療の質向上につながることを期待しています。
医療業務の効率化と精度向上
DPC(Diagnosis Procedure Combination)コーディング業務は、病院経営に重要な役割を果たします。特に、医療事務職員にとっては、日々多くの情報を扱う中でDPCコーディングを行うことが求められ、膨大な負荷がかかっています。九州大学病院では、AIによってこの業務の効率化や精度向上が図られることを目指しています。
例えば、AIは副傷病名や処置の抜け漏れを指摘し、適切な診療報酬請求を支援する役割も果たします。これにより、医療事務職員はコーディング業務の負担を軽減でき、より患者との対話に集中できる時間が生まれることが期待されます。
職員のワーク・ライフ・バランスの向上
九州大学病院は「全人的医療」を重視し、医療人の育成や多様な働き方の導入にも取り組んでいます。今回の生成AIの導入は、単に業務の効率化だけでなく、職員のワーク・ライフ・バランスの向上にも寄与するものです。特に、ロボット手術や放射線AI診断などのデジタル・トランスフォーメーション(DX)が進む中で、医療機関がより効率的に運営されることは、患者ケアの質を向上させるための鍵となるでしょう。
DPC制度の理解
DPCとは、急性期の入院医療を対象とした包括支払い制度で、病名や診療内容に基づいて医療費が計算されます。この制度は医療の効率化や質の向上を目的として導入され、医療機関はこの基準に従って報酬を得ることが求められます。
今回の「ユビー生成AI」のDPC業務支援機能は、医療現場における業務の最適化を実現し、経営状況のリアルタイム把握やデータに基づく意思決定の支援に寄与することが期待されています。
コメントと期待される成果
九州大学病院の病院長特任補佐である西山謙氏は、今回のDPCコーディングのAI導入が多くの業務において影響を与えるとコメントしています。また、Ubie社の生成AIプロダクトマネージャーで医師の原瀬翔平氏は、医療現場での知識とAI技術を組み合わせることで、日々の業務をより効率的に行えるようになる旨を伝えています。
医療業務のデジタル化が進む中で、九州大学病院がどのような成果を上げていくのか、今後の展開に注目が集まります。AI技術の進化により、医療現場がさらに改善されることが期待されています。