中小企業のサイバー対策
2021-12-08 12:00:09

中小企業におけるサイバーセキュリティトラブルの現状と対策

中小企業におけるサイバーセキュリティトラブルの現状と対策



最近の調査によれば、中小企業に勤務する従業員の約10.5%が、過去3年間の間にサイバーセキュリティのトラブルを経験していたことが明らかになりました。特に、ウイルスやランサムウェアによる被害が多く、サイバーセキュリティの重要性が一層浮き彫りになっています。

トラブルの実態


これらのトラブルは年間平均で1.4回発生しており、実際のところ、半数以上の事故やトラブルは、会社や上司に報告されていないのが現状です。この「かくれサイバートラブル」が多く存在し、企業にとって大きなリスク要因となっています。

情報管理ルールの認知状況


今回の調査では、IT機器の使用やデータ管理に関するルールが制定されている中小企業従業員は42.7%に留まっています。この状況の中、実に5人に1人がルールに違反したことがあり、その多くは複数回違反を重ねているとのことです。特に、パスワードに関するルール違反が多く見られました。

報告されない違反


ルール違反をした従業員の43.2%は、その違反を報告していないことがわかりました。その理由としては、ルール自体は理解しているものの、危険意識や知識が不足していることが挙げられています。これでは従業員自身がサイバーセキュリティの深刻さを理解できず、トラブルが発生しやすくなります。

従業員としてのトラブルの深刻さ


個人でのサイバーセキュリティトラブルのトップは「ウイルスやランサムウェア感染」で、次にメールの宛先間違いやフィッシング詐欺が続きます。しかし、こういったトラブルの多くも、会社に報告されていないため、実際の被害数はより多いと考えられます。

業種別のトラブル発生率


調査では、サイバーセキュリティトラブルの発生率が高い業種として「情報通信/広告業」と「対個人サービス業」、さらに「製造業」が浮かび上がっています。これらの業種ではトラブルが発生しやすい環境にあると言えるでしょう。また、職種別には「管理職」や「営業」に多くのトラブルが発生しています。

対策の必要性と啓発サービスの登場


サイバーセキュリティに関する意識を高めるため、中小企業向けに「サイバーセキュリティお助け隊サービス」という公式ウェブサイトが開設されました。このサイトでは、明確なガイドラインや啓発コンテンツを提供しており、中小企業が円滑にセキュリティ対策を進めるための助けとなります。特に、サイバーセキュリティ対策かるたを利用して、従業員が身近なリスクを認識しやすくする取り組みがなされています。

まとめ


中小企業におけるサイバーセキュリティは、従業員の意識向上やルールの明確化が求められています。隠れたトラブルの報告を促進し、適切な対策が講じられることが急務です。サイバーセキュリティ対策への取り組みが進むことで、企業全体のリスクを低減し、安全な業務環境を構築することが期待されます。

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独立行政法人情報処理推進機構
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