月商1200万円の居酒屋の秘密とは
川崎・武蔵小杉で居酒屋を3店舗展開する株式会社KIWAMIの代表、阿波耕平氏が、著書『わが社の居酒屋は8坪、月商1200万円その秘訣を教えます』を発表しました。この本は、居酒屋経営における高い坪月商の取り組みや、企業理念の確立を基にした働き方改革を明らかにしています。
坪月商147万円の業績
武蔵小杉の駅近に位置する「きわみ」は、わずか8坪ながら2025年3月に坪月商147万円を記録し、3店舗の平均坪月商は100万円に達しています。このように高い生産性を実現した背景には、阿波氏自身の経営哲学や創業時の苦労があるのです。
著書では、坪月商が40万円を超えると店の収益性が向上し、さまざまな投資が可能になるとされています。これにより、優れた店作りが実現し、参入障壁が高まることで、独自性を持った居酒屋が生まれます。特に坪月商147万円を記録した店舗、居酒屋「きわみ」の成功はその好例です。
創業当初の困難と理念の確立
阿波氏は2014年11月に居酒屋を創業しました。創業13ヶ月目には初めて坪月商40万円を超え、月商430万円を達成しましたが、それと同時に運営の厳しさを実感しました。1日13時間の労働、月4日しかない休日、低い給与という状況に、さらなる経営の厳しさを感じていたのです。
このとき、地元の先輩である河合倫伸氏に相談したところ、企業理念の重要性を教えられました。この言葉がきっかけで、阿波氏は「人は幸せになるために生まれてきた」という理念を考え始め、2019年にKIWAMIの企業理念が成立します。
働き方改革の実施
理念をもとに、阿波氏は従業員の働き方を改善するための取り組みを開始しました。2021年から段階的に労働時間の縮減を進め、公休日を増やすなどの改革を実施し、従業員の待遇向上を図っています。これにより、社員のモチベーションも向上し、生産性の向上へと繋がっています。
具体的には、2020年11月から2021年10月の第1弾では、年間労働時間を4121時間から156時間削減し、公休日を月5日に設定しました。さらに2024年からは公休日を月8日に増やし、年間労働時間2331時間を目指しています。これらの改善策は、全従業員が参加し、自主的にルールを決定する形で行っています。
独自の生産性向上哲学
阿波氏は、高い生産性を維持するために独自の「哲学」を構築しました。本書では、全従業員で「わが社の常識」を融合させること、肩書きではなく役割に基づく業務分担、クリエイティブな仕事環境の促進など、さまざまな要素を重視しています。
「魚もつ」の看板メニュー「極み盛り」を提供する「きわみ」は、お通し460円で「もつ煮込み」が食べ放題というユニークなスタイルを取り入れ、顧客の期待を超えるサービスを実現しています。
人材採用の支援
この書籍は、居酒屋経営に関するノウハウをまとめたもので、株式会社キイストンの運営する「キイストン出版」が発行元となります。人材採用のコンサルティングを行っている同社は、飲食業の成長に寄与するために、このような実践的な書籍を展開しています。
結論
阿波氏の居酒屋経営の成功の秘訣は、企業理念に基づく働き方改革や独自の生産性向上策にあります。著書を通じて、今後の飲食業界における新たな経営手法に触れることができるでしょう。これからの居酒屋経営において、彼の成功事例は一つの参考となることは間違いありません。