ミリー・ボビー・ブラウンがブラジルで女の子の権利を訴える
2025年3月中旬、ユニセフ(国連児童基金)の親善大使であり、エミー賞ノミネート俳優のミリー・ボビー・ブラウンがブラジルのサンパウロを訪れました。彼女は、10代の女の子たちとの対話を通じて、彼女たちの直面する課題や夢について耳を傾けました。この訪問は、国連本部で開催された「国連女性の地位委員会(CSW)」でのスピーチに続くもので、女の子の権利を広く訴える機会となりました。
ブラウン親善大使は、サンパウロのシダージ・チラデンス地区にある小学校を訪れ、地元の女子生徒たちとの交流を深めました。彼女はその中で、「今回の訪問で、地域の若者たちや先生方と出会えたことに感謝します。特に10代の女の子たちと話を交わし、彼女たちの経験を学ぶ中で大変心が動かされました。互いに支え合うことの重要性を話し合い、彼女たちが自らの未来を切り開く力を持つことを感じてほしいと思います」と述べました。
地元の女子生徒たちの声
ブラウン親善大使との対話で、女子生徒たちは彼女に様々な課題を訴えました。特に、学校における男女の扱いの違いや、教育の重要さ、月経に関する正しい知識の欠如について話しました。彼女たちは、女の子たちが声を上げ、自らの権利を主張する必要があると強調しました。これらの課題は、ブラジルにおける「生理の貧困」や、教育機会の制約を取り巻く複雑な状況を反映しています。
ブラジルでは、10代の女の子が直面する権利の制限は相当深刻です。例えば、月経に必要な生理用品の不足や、適切な衛生設備へのアクセスが乏しいため、全国で1500万人以上の女の子が教育の機会から遠ざかっています。また、失業率が高く、職業訓練プログラムに参加できない状況も課題に挙げられます。若年層の母親が教育を中断してしまうケースも多く、これがさらなる貧困の原因となっています。
キジーさんという14歳の生徒は、「学校は、特に社会的に疎外された地域において、子どもたちを支える重要なネットワークです。情報の不足が、子どもたちに特定のテーマを理解させない原因となっています。私たちは、学校が生徒を優先にしてサポートすることが必要であると思います」と語りました。
ユニセフの取り組みとブラウン親善大使の訪問
危機的な状況が続く地域で、ユニセフはブラジル政府や地方当局と連携し、教育、保護、雇用の機会を改善する取り組みを行っています。ブラウン親善大使の訪問によって、現地の子どもたちへ非常に大きな勇気が与えられました。
訪問中、ブラウン氏は学校の教師たちとも面会。ユニセフが行っている「アクティブ・スクール・サーチ」という、学校に通えない子どもたちを見つけて支援する取り組みについて学びました。彼女は訪問の最後に、生徒たちと共に壁に絵を描いたり、体育の授業でブラジルの伝統的なカポエイラを楽しむ時間も過ごしました。
ユニセフ・ブラジル事務所の代表、ユスフ・アブデル・ジェリルは、「ブラウン親善大使がブラジルや世界の女の子たちへの勇気の象徴であり、彼女の対話は彼らが自分の可能性を信じる力を与える特別な機会となりました」と述べました。
ユニセフとこれからの活動
国連児童基金、ユニセフは、世界中で子どもたちの権利と健やかな成長を促進するために活動しています。すべての子どもが平等にその権利を享受できるよう、特に最も困難な状況にある子どもたちを支援することが重要です。日本ユニセフ協会も、国内での活動を通じて、ユニセフの理念を広め、募金を促進する役割を担っています。公式サイトにも多くの情報が載っているので、ぜひ訪れてみてください。