奄美群島の水道スマートメーター実証実験
奄美群島における水道インフラに新たな風が吹き込もうとしています。2025年8月8日、奄美群島の9つの自治体は、NTT西日本鹿児島支店およびNTTテレコン九州支店と共同で、「水道スマートメーター実証実験」の実施に向けた協定を締結しました。このプロジェクトは、上下水道業務のデジタル化を促進するための重要なステップです。
実施の背景
現在、地方自治体は公共施設の整備に伴う事業費の増加と、それに対する人材不足という二重の課題に直面しています。このような状況下で、業務効率化を図るためにDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進が急務となっています。この実証実験は、奄美群島内の複数の自治体が協力し、水道メーターの遠隔検針を実施することで、上水道関連業務のDX化を狙っています。
協定の詳細
この協定は、2025年8月8日の8時30分から9時30分まで、鹿児島市のサンロイヤルホテルで行われました。奄美市や大和村、宇検村などの各市町村長と、NTT西日本鹿児島支店およびNTTテレコン九州支店の支店長が出席し、正式な締結が行われました。また、実証実験の期間は2025年8月から2026年5月を予定しており、準備が整った自治体から順次開始される予定です。
実証実験の具体的な内容
この実証実験では、NTTテレコンが提供する通信端末と電子式の水道メーターを接続し、集中監視センターを介して各自治体での遠隔検針を可能にします。これにより、漏水警報の機能を活用し、ストレスのかかる検針業務が効率化されることが目指されています。また、蛇口の閉め忘れや漏水といったトラブルを早期に発見することができるため、住民サービスの向上も期待されています。
期待される効果
1.
検針業務の効率化: 自動化により、検針コストが削減され、人手不足問題の解消が期待されます。
2.
難検針の解消: 遠隔検針により、アクセス困難な場所のメーターも検針できるようになります。
3.
トラブルの早期発見: 漏水や閉め忘れがシステムによって即座に警告され、迅速な対応が可能に。
4.
CO2排出量の削減: 検針に伴う移動が減少し、環境に優しい取り組みとすることができます。
役割分担と今後の展望
今回の実証実験では、各自治体が実験のフィールドを提供し、NTT西日本が水道検針データの分析を行います。NTTテレコンは遠隔水道検針サービスを提供し、データ化に注力します。実証実験を通じて収集したデータは全自治体で共有され、効果的な情報交換が行われる予定です。また、結果に基づいて見守りサービスや自然災害対応に向けたDX化の推進も検討されています。
「水道スマートメーター実証実験」は、奄美群島における地域活性化の新しい試みとして注目されており、全国的にも珍しい先進的な取り組みとなっています。今後の進展に期待が高まります。
お問い合わせ先
本実証に関する詳細は、NTTテレコン九州支店営業担当(TEL: 092-472-3303)までお問い合わせください。情報は発表日時点のものであり、変更される可能性がありますのでご注意ください。