京都府の教育改革を目指した研修会
京都で行われる令和7年度運動部活動指導者研修会が注目を集めています。今回の研修会は、ラグビー元日本代表監督の松井英幸氏を招き、「人が育つ組織のつくり方」をテーマに、約220名の教員を対象に開催されます。松井氏は過去にパワハラ問題に直面し、監督を退任した経験を持つため、その実績と経験を生かした指導法の転換を提唱します。
教育現場の指導問題の深刻化
近年、教育現場での指導方法が深刻な問題となっており、文部科学省の調査によれば、2023年度には509名の公立学校教職員が不適切な指導で処分を受けています。このような現状を受けて、パワーハラスメントに関する相談は年に6万件以上を超えています。特に、中高の運動部活動においては古い指導法が残っているため、教育の質を向上させるための新たな方針が必要です。
松井英幸氏の経歴と講演内容
松井氏は流通経済大学付属柏高校でラグビー部監督を務め、21年連続で全国大会に出場した実績がありますが、パワハラ問題により解任されました。この挫折から学んだことは多く、教員たちに伝えたいメッセージとして「信頼関係を築くこと」の重要性を挙げています。
今回の研修では、米国の精神科医ウイリアム・グラッサーが提唱した選択理論心理学を基に、
1. 生徒との信頼関係を深める具体的な方法
2. 一方的な「教える」スタイルから、生徒が主体的に動ける指導方法への転換
といった内容が講演の中で扱われます。特に、松井氏の失敗体験を交えた話は多くの教員にとって参考になるでしょう。
参加者の期待と研修詳細
この研修会には、府内の中高の教職員や外部指導者が参加し、オンラインでの参加も可能です。参加人数はリアル会場120名、オンライン100名を予定しています。出席教員は、部活動指導の実務に携わる者に限られており、今後の教育活動に直結する貴重な機会です。
開催概要
- - 日時: 2025年11月25日(火)13:00~17:00(受付12:30~)
- - 場所: 京都府総合教育センター
- - 主催: 京都府教育委員会等
アチーブメント株式会社と松井氏
アチーブメント株式会社は創業39年を迎える人材教育コンサルティング企業で、「教育の力で世界を変える」をスローガンに、様々な教育プログラムを展開しています。松井氏の講演は、同社の「講師派遣トレーナーズ」を通じて行われるもので、教育現場での改革を支援する一環として位置付けられています。
このように、指導方法の見直しを通じて、京都の教育現場はより良い方向へと進んでいるのです。今後の研修に期待しましょう。