全国初 東海若手市長の会と介助犬の取り組み
2025年1月23日、愛知県長久手市にある介助犬総合訓練センター「シンシアの丘」で、東海若手市長の会の第2回総会が開催されました。この会議には、愛知、岐阜、三重、静岡の4県から集まった13人の市長や町長が参加し、介助犬に関する理解を深めることを目的としました。特に、このセンターが選ばれたのは、長久手市の市長、佐藤有美氏のアイデアによるもので、他の市長にも介助犬の大切さを知ってもらいたいとの意向がありました。
介助犬への理解を深めるデモンストレーション
総会が終わった後には、社会福祉法人日本介助犬協会の理事長、高柳友子氏による介助犬に関する事業紹介がありました。さらに、介助犬PR犬によるデモンストレーションも行われ、落とした物を拾う、靴下を脱がす、携帯電話を持ってくるなどの具体的な作業が披露されました。参加者たちはその実演に関心を持ち、質疑応答では活発な議論が交わされました。
市長たちの意識が変わる
このイベントを通じて、ホスト役の佐藤有美市長は、「発信力のある若手市長が介助犬について深く知ることができました。私たちが市長という立場だからこそできる啓発活動に積極的に取り組んでいきます」と意気込みを語りました。また、若手市長の会会長である桑名市の伊藤徳宇市長も、「介助犬の認知度の低さと、その育成に関する課題を学ぶことができました」と述べ、取り組みの重要性を強調しました。この学びを自治体に持ち帰り、障害のある方々の自立と社会参加の推進に役立てていくと語りました。
介助犬総合訓練センター「シンシアの丘」とは
2009年に設立された「シンシアの丘」は、日本初の介助犬専門訓練施設です。このセンターでは、障がいのある方が宿泊しながら介助犬候補犬との訓練を行う「訓練室」があり、これまでに41ペアの介助犬と飼い主が誕生しています。全国的に見ても、介助犬は非常に貴重な存在であり、現在は約60ペアしかありません。
介助犬の役割と育成の重要性
介助犬は、肢体不自由者のニーズに応じて特別な訓練を受けた犬であり、日常生活のサポートを行います。全国に介助犬が必要とされる方は15,000人に及びますが、現状ではその育成の約90%が寄付や募金に依存しています。このため、より多くの人々に介助犬の重要性を周知し、支援を呼びかけることが求められています。
日本介助犬協会の取り組み
日本介助犬協会は愛知と神奈川に拠点を持ち、全国的に介助犬の普及活動を行っています。さらに、犬たちの特性を活かした様々なプロジェクトにも取り組んでおり、「Dog Intervention®」や障がいを抱える人々へのサポートを展開しています。公式サイトでは、これらの活動について詳しく紹介されています。
このように、東海若手市長の会が介助犬の現場を訪れ、理解を深める取り組みは、地域社会にとって非常に重要な意義を持っています。今後、この運動がさらに広まり、多くの人々が介助犬の重要性を認識し、支援していくことが期待されます。