ローム株式会社が新しいワイヤレス給電チップセットを発売
京都に本社を置くローム株式会社は、スマートリングやスマートバンドなどの小型ウェアラブル機器向けに、革新的なワイヤレス給電ICチップセット「ML7670(受電)」「ML7671(送電)」を開発しました。この新しいチップセットは、近距離の非接触通信技術であるNFCに対応しており、幅広い小型デバイスへの給電が可能です。
省スペースと効率性を追求した設計
新チップセットは、従来の「ML7660(受電)」「ML7661(送電)」の技術を基にしつつ、給電量を最大250mWに制限し、外部部品を内蔵することで設計を最適化しました。この設計により、特にスマートリングのような小型機器に求められる特性を満たしつつ、実装面積の削減と給電効率を両立させています。実際、この受電IC「ML7670」は業界最小クラスに位置するコンパクトサイズでありながら、最大給電効率45%を実現しています。これにより、同クラスの他製品と比較しても上回るパフォーマンスを誇っています。
開発プロセスの効率化
加えて、新チップセットにはワイヤレス給電に必要なファームウェアが内蔵されていますので、ホストMCUを必要としません。これにより、設計時の省スペース化が進み、開発の手間を大幅に削減することができます。
NFC規格への対応と製品の互換性
ロームの新チップセットは、NFC Forumの規格(WLC 2.0)に準拠しており、既存のワイヤレス給電システムとも互換性があります。これにより、様々なデバイスとの統合が容易となり、今後拡大するNFCワイヤレス給電市場において中心的な役割を果たすことが期待されています。
すでに量産中、評価ボードも準備
この新しいチップセットはすでに量産を開始しており、ROHM Online Storeで随時販売されています。さらに、ユーザーが製品の評価を簡単に行えるように評価ボードやリファレンスデザインも用意されています。興味のある方はロームのウェブサイトからお問い合わせが可能です。
スマートリング市場の背景
最近、ヘルスケアおよびフィットネス用途を中心に、スマートリング市場が急速に成長しています。リング型のデバイスはサイズが小さいため、有線給電が難しく、一般的なQi規格を採用する場合にもコイルサイズの制約が生じることがあります。そこで、小型デバイスに適した新たな近接給電方式としてNFCが注目を集めています。この背景には、次世代ウェアラブルデバイスへの対応が求められるようになった市場のニーズがあります。
まとめ
ローム株式会社は、ウェアラブル機器に必要な小型かつ省電力な技術を駆使し、今後もデバイス開発を推進していく方針を示しています。小型で効率的なワイヤレス給電技術は、ユーザーにとっての利便性を向上させただけでなく、ウェアラブル市場全体の発展にも寄与しています。これからの展開が非常に楽しみです。