海洋教育が内陸で実現
秋田県大仙市立中仙中学校で行われた海洋教育プログラムに関する特別な冊子『水をたどる仮面ー内陸から海を結ぶ授業の記録』が完成しました。この取り組みは、一般社団法人3710Labと同校が日本財団の助成を受けて実施したもので、地域の文化と海洋環境を結びつける画期的な試みです。
取り組みの背景
大仙市は内陸部に位置しながらも、古くから水を通じて文化が栄えてきました。「水」は当地の生活や文化にとっての重要な要素ですが、海とのつながりはどうでしょうか? 3710Labでは、「海と人を学びでつなぐ」ことをテーマに、この疑問に応えるためのプログラムを開発しました。
このプログラムでは、特に美術の授業に焦点を当て、生徒が地域の自然環境や文化に触れながら「仮面」を制作しました。この「仮面」には、地域の自然や文化と海とのつながりに対する思いや願いが込められています。
プログラムの実施
2024年度から始まるこのプログラムでは、1年生の生徒がフィールドワークを通じて地域の自然を観察し、それをもとに一人ひとりが思い描く「仮面」を制作していきました。また、作成した作品やその過程はすべて記録され、冊子にまとめられました。これにより、地域の文化と自然に対する理解を深めると同時に、海との関係について新たな視点を身につける機会を提供したのです。
再発見する地域文化と海
冊子の中では、地域の自然や文化にまつわるエッセイも取り入れられています。生徒たちが表現する暮らしの中での自然の美しさや重要性は、地域ならではの独自の視点から語られます。変化する季節を感じながら、彼らがどのように自然と向き合っているのかが見える内容です。
海洋教育の重要性
海洋教育は、持続可能な社会を築くための鍵となるものであると広く認識されています。国連の専門機関であるユネスコIOCも、海洋科学の重要性を訴えており、これを受けて世界中で海の教育が広がっています。しかし、内陸部の地域では海との距離が遠く、直接的な体験が得にくいという課題があります。
このような中、3710Labの取り組みは、地域文化を通じて海とのつながりを実感し、地球環境を考えるきっかけを生徒に提供することを目指しています。内陸部での取り組みとして、同様の課題を持つ地域への模範となることでしょう。
参加者の募集と冊子の配布
本プログラムに興味のある方や、同様の教育プログラムを導入したいと考えている教育機関の関係者は今後の参加者を募集しています。また、冊子を希望される方にも配布予定です。海や自然に関する教育活動を広めるためのこのプログラムは、多くの地域や学校で役立つことでしょう。
興味がある方は、ぜひ
こちらからお問い合わせください。この取り組みが内陸での新たな海洋教育の可能性を切り開いてくれることを期待しています。