焼津市での「つなモビ」実験、98.8%の高満足度を達成!
静岡県焼津市では、モビリティの活用と人材マッチングによる地域活性化を目指す「つなモビ」第3弾が実施されました。この実証実験は2024年10月12日から12月15日までの65日間にわたり、焼津駅南口周辺4キロ圏内で行われました。今回の実験で走行したのはグリーンスローモビリティという新しい形の移動手段で、1日の運行台数は2台でした。
実験の目的は、市内外の利用客を対象に、観光施設や直売所、商店、交流施設に設けた45か所の停留所を通じて、地元の活性化を促進することです。地元客の移動促進だけでなく、市外からの観光客と地元住民との交流を促し、地域経済への多様な貢献を目指しました。
利用者は、1日乗り放題券を700円、または1回利用券を300円で購入し、専用アプリや運転手を介してサービスを受けました。実験終了後の結果を見てみると、総ライド数は2,684回に達し、1日平均では41.3ライドの利用がありました。この数値は前回の第2弾の19.7ライドから大幅に増加しており、モビリティの利用促進が確実に進んだことを示しています。
利用者の内訳を分析すると、やはり市外からの観光客が多く、全体のおよそ60%を占めています。この市外利用者1人あたりの平均消費効果は4,713円に達するなど、地域経済にとってポジティブな影響が確認されました。加えて、利用者満足度に関するアンケートでは、98.8%の人が「大変満足」または「やや満足」と回答し、特に運転手とのやり取りや地元の人々との交流が評価されました。
注目すべきは、利用者の約30%が従来のマイカーから「つなモビ」への乗り換えを行っていることです。また、特別イベント開催日に設置された臨時停留所では、1日あたり100ライドの高い利用率を記録するなど、焼津市が推進する「ウォーカブルな街づくり」にも寄与する結果となりました。
さらに、新たに7件のビジネス連携が市内事業者間で生まれたことも、この実験の成果の一つです。更に「ふるさと納税」との連携が実現し、20人以上の乗客が納税を行ったことも確認されました。これを受けて、合同会社うさぎ企画は、今後もこの実験の実装を進めていく意向です。
このように「つなモビ」の実証実験は、ただの交通手段を超え、地域との新たなつながりをつくる重要な一歩となっています。今後のさらなる展開が期待されます。