がん転移を抑制するタンパク質
2026-03-30 11:13:45

ヒトラクトフェリン融合タンパク質ががん細胞の転移を抑制するメカニズムに迫る

ヒトラクトフェリンとヒト血清アルブミンの融合によるがん転移抑制の新しい可能性



東京工科大学の研究チームが、がん細胞の転移に関与する細胞遊走を強力に抑制する新たなメカニズムを発見しました。この研究では、ヒトラクトフェリン(hLF)とヒト血清アルブミン(HSA)との融合タンパク質を利用し、がん細胞の動きに影響を与えることが示されました。具体的には、融合タンパク質がゴルジ体のpH恒常性を破綻させることで、がん細胞の遊走に関与するマトリックスメタロプロテアーゼ1(MMP1)の発現を低下させることが確認されました。

研究の背景


がんの転移は、患者の予後に深刻な影響を与える重要な臨床課題です。がん細胞の遊走は、転移の過程において不可欠なステップであり、そのメカニズムの解明は治療法の開発において極めて重要です。研究グループは、previousな研究において、hLF-HSAの治療ががん細胞のMMP1発現を低下させ、細胞の移動を抑制する効果があることを報告しています。

ゴルジ体の役割


本研究において新たに明らかになったのは、hLF-HSAが細胞内小器官であるゴルジ体の機能に深く関与しているということです。具体的には、hLF-HSAはゴルジ体に存在するNa+/H+交換輸送体7(NHE7)の発現を促進し、その結果としてゴルジ体のpHがアルカリ化されます。このpHの変化が、がん細胞における遊走の阻害に寄与することが示されており、細胞の移動に対する新たなアプローチを提供しています。

カベオリン依存性エンドサイトーシスの役割


さらに、hLF-HSAを細胞内に取り込む際に活性化されるカベオリン依存性エンドサイトーシスも、MMP1発現の低下に寄与することが明らかとなりました。これにより、hLF-HSAはがん細胞の遊走を強力に阻害するだけでなく、正常細胞への影響を抑えつつ、がん細胞の増殖を選択的に抑えることが期待されます。

研究の意義


この発見は、がん治療に向けた創薬戦略への新たな道を開くものです。hLF-HSAの利用により、がん細胞の転移を防ぐ新しい薬の開発が進むことが期待されます。研究成果は、2026年に欧州生化学会連合の国際科学雑誌「FEBS Open Bio」に掲載される予定です。

まとめ


がん治療における新たな選択肢として、ヒトラクトフェリンとヒト血清アルブミンを用いた研究が注目を集めています。この革新的なアプローチは、今後のがん治療に寄与することでしょう。さらに、がん細胞の機能を理解し、効果的な治療法の開発に繋がることが期待されます。


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