AIを活用するための「目的」と「背景」を言語化する方法
AIは様々な作業を依頼できるものの、その効果を最大限に引き出すためには、ただ指示を出すだけでは不十分です。特に重要なのは、AIに対して「誰の、どの状態を変えたいのか」という目的の明確さと、なぜその目的が必要なのかを示す背景情報です。これをうまく設定できる組織とそうでない組織では、AIの活用結果に大きな差が開くことになります。
組織が目的をつくる経験が不足している理由
多くの企業では、目標は数値で与えられ、過去の実績やルールに基づいて行動が指示されます。このため、現場での経験は数値目標を達成することに偏りがちです。その一方で、目的を創造し、背景を事実や因果関係に基づいて言語化する機会は少なくなっています。結果として、組織内における目的形成のプロセスが軽視される傾向にあります。
目的を見いだすためには背景が必要
効果的な目的設定は、単なるアイデアや思いつきから生まれるものではありません。それには、誰の、どの状態をどう変えたいのかといった、背景に基づく根拠が必要です。例えば、新しいプロジェクトを進めるためには、そのプロジェクトの必要性や市場のニーズを詳細に分析し、その結果を用いて目的を設定することが求められます。
利用者との対話がカギ
背景にある事実は、単にデータや資料を見返すことだけで把握できるものではありません。利用者や関係者との対話を通じて、彼らの真のニーズや悩みを把握し、それに基づいた判断をすることが重要です。これなしには、実質的な目的やその背景を抽出することは困難です。
判断経験の構築
目的や背景は、思考の中で自動的に形成されるものではありません。実際には、さまざまな事実を確認し、対話を重ねる中で、それらを意思決定に結びつける経験が必要です。こうした経験を経ることで、AIに効果的に情報を渡すための素地が育まれます。
「必要経験設計」とは
リクエスト株式会社の「必要経験設計」は、AIに有効な目的や背景を言語化するための判断経験を構築することを重視します。具体的には、以下の5つの経験を通じて、課題を解決するスキルを育むことが目指されています。
1. 相手との関係性を築く
2. 対話を通じて背景を確認する
3. 目的を正確に設計する
4. 小さく判断し、結果をアップデートする
5. AIに伝える適切な言葉を使う
このプロセスを意図的に増やすことで、AI活用において成長を遂げる環境を整えていくことができます。
簡易診断による現状把握
リクエスト株式会社では、AIに渡せる「目的」と「背景」を言語化するための経験が現在どれほど備わっているかを診断する「必要経験設計 簡易診断」を公開しています。この診断を通じて、組織内での役割によるギャップや、必要な経験がどれほど組み込まれているかを把握することが可能になります。
AIとの新たな関係を築くためには、まずその適切な利用目的と背景を明確にし、組織内でそのための経験を積み重ねていくことが重要です。リクエスト株式会社は、今後も組織行動科学に基づいた研究と教育を提供し続けることで、企業の発展に寄与していきます。
リクエスト株式会社は、「より善くを目的に」を掲げ、累計で980社・33.8万人のデータに基づく組織行動科学®を基盤にし、ビジネス環境における課題を克服するための研究と教育開発を行っています。