リスキリング施策の現状と2025年への展望
近年、企業の人材育成においてリスキリングが重要視されています。これは特にデジタル人材の必要性が高まる中で、従業員が新しいスキルを取得し、変化に適応できるようにするための施策です。パーソルグループのパーソルイノベーション株式会社が展開するリスキリング支援サービス『Reskilling Camp』は、全国の企業を対象に定期的な調査を実施しており、2024年12月版の結果と言いますと、リスキリング施策の実施率が全体で約40%を維持していることが分かりました。
調査結果のサマリー
今回の調査では、リスキリング施策の実施率が大企業においては約60%に達し、中小企業においても約32%が実施していることが明らかになりました。特筆すべきは、リスキリングで重視されるスキルには「データ活用」「セキュリティ」「ITプロジェクトマネジメント」が挙げられ、これらのスキルが企業にとって非常に重要であることが認識されています。
さらに、2025年度には「AI活用(ChatGPT等)」のスキル強化が最も重要視されていることも示されています。これは、AI技術が迅速に進化する中、企業がその活用を迫られていることを反映しています。また、リスキリング施策を実施した企業の約70%が「成果を実感している」と回答しており、これが企業の取り組みを後押ししています。
2025年度のリスキリング計画と予算
2025年度に向けてのリスキリング施策の実施意向についても調査された結果、全体の約40%が何らかの形でリスキリングを実施する意向を示しており、その中で新たに施策を実施する企業は約20%に上ります。また、2025年度のリスキリング施策における予算については、500万円以上1,000万円未満が最も多く、約40%の企業がこの範囲に予算を計上しています。
業界別に見ると、製造業においてはリスキリング施策の実施意向が58.4%と非常に高く、これは業務改善に向けてデジタルスキルの向上が求められ続けていることを示唆します。情報通信サービス業もリスキリングに積極的であることが分かりました。
リスキリングにおける業界イメージ
リスキリングを積極的に推進している業界のイメージについて調査した結果、最も高かったのは「通信・情報サービス業」で約40%の支持を得ました。次いで「建設・土木・工業・製造業」が27%で続き、サービス業が22%という結果になりました。このイメージ調査と実施企業の回答においても概ね一致しており、業界の取り組み方が反映されています。
まとめ
『Reskilling Camp』の調査によれば、リスキリング施策は引き続き多くの企業において実施されており、特に大企業においては定期的な施策が行われていることが分かりました。2025年に向けては、さらなるスキルの向上が求められ、新規にリスキリング施策に取り組む企業も増加していることが期待されます。特にデータ活用やAIに関連するスキルは、今後も企業の人材育成において重要なテーマとなることでしょう。リスキリングはもはや選択肢ではなく、ビジネスの成長と競争力を維持するための必須要件として、しっかりと位置付けられています。
どうぞ、今後のリスキリングの動向にご注目いただきたいと思います。