羽田空港における資源循環プロジェクトの成果と展望
2024年12月、東京国際エアカーゴターミナル株式会社(TIACT)は、株式会社サティスファクトリーと連携して羽田空港における資源循環プロジェクトを開始しました。このプロジェクトは、空港内で発生する廃プラスチックをリサイクルし、環境負荷を低減することを目的としています。
プロジェクトの背景
現在、航空業界全体で脱炭素に向けた取り組みが進められていますが、特に航空貨物の取り扱いにおいては、廃棄物が大きな問題として存在します。これまで多くの廃棄物は焼却処理されており、CO₂を排出する一因とされていました。そのため、きちんとした分別やリサイクルによる環境負荷の軽減が求められています。
成田国際空港の『成田空港で資源をまた使おうプロジェクト』が進む中、TIACTはこの先進的な取り組みに賛同し、独自の資源循環プロジェクトの実施に踏み切りました。
プロジェクトの内容
このプロジェクトでは、TIACTの上屋内で発生する廃プラスチックを対象に、サティスファクトリーが資源循環の仕組みを構築しました。回収された廃プラスチックは、再生樹脂にマテリアルリサイクルされ、TIACTが製造した再生材ごみ袋の原料として利用されます。このようにして、年間で172トンのプラスチックを再資源化する見込みです。
実績の報告
プロジェクト開始からわずか3ヶ月で、合計43,515kgの廃プラスチックを回収し、その結果、136,637kgのCO₂排出量削減を達成しました。これは、東京から香港間を運ぶ際に発生するCO₂排出量に匹敵します。従来の焼却処理に比べ、リサイクルによる資源利用が進むことで、環境負荷が現実的に軽減されているのです。
関係各所との協力により、今後ますますリサイクル率を高めるための基盤が整備されることでしょう。
担当者のコメント
プロジェクト担当者は、「この取り組みは空港の持続可能性を高めるための重要なステップです。廃棄物の分別や回収の仕組みが整備され、循環型社会に向けた現実的な一歩を踏み出しました。今後も関係者との連携を強化し、更なる展開を目指します」とのことです。
今後の展望
2025年度には、さらに資源循環を拡大するため、上屋内で発生する木製パレットや木くずの資源化にも着手する計画です。廃プラスチックだけでなく、他の多様な資源のリサイクルに向けた取り組みが期待されます。この厳しい環境問題を解決するための努力が実を結ぶことを願っています。
企業情報
東京国際エアカーゴターミナル株式会社
- - 所在地:東京都大田区羽田空港2-6-3
- - 代表者:代表取締役社長 足立浩一
- - 事業内容:羽田空港国際線地区貨物ターミナルの整備・運営事業
株式会社サティスファクトリー
- - 所在地:東京都中央区八丁堀3-12-8 HF八丁堀ビルディング6F
- - 代表者:代表取締役 小松武司
- - 事業内容:廃棄物マネジメント、環境コンサルティング、再資源化プロダクト事業