縦スクロール漫画の未来を切り開く「第4回オールKADOKAWAタテスクコミック大賞」
2024年12月3日、東京都千代田区で開催された「第4回オールKADOKAWAによるタテスクコミック大賞」は、縦スクロール漫画の新たな才能が集まり、熱気あふれる授賞式が行われました。この賞は、KADOKAWAが主催し、36の編集部が一丸となって選出する新人賞です。
新たな漫画表現の場としてのタテスクコミック大賞
今年で4回目を迎えるこの大賞は、従来の漫画の枠を超え、「いつでもどこでも誰でも楽しめる漫画」を探すことを目的としています。受賞者には、賞金が授与され、さらに連載デビューの機会が約束されます。特に注目すべきなのは、昨年に引き続き開催された「The 2nd TATESC COMICS Global Awards」でもあり、世界各地の新しい才能を発掘するチャンスを提供しています。
海外展開の強化
この授賞式では、英語、中国語簡体字・繁体字、韓国語の4つの言語で描かれた作品が募集され、それぞれ現地の編集部が審査を行い、受賞作品を決定しました。海外展開を視野に入れた取り組みが進む中、受賞者たちにはデジタル連載などのチャンスが与えられ、国際的な舞台でのデビューにつながることが期待されています。
授賞式のハイライト
授賞式では、受賞者への表彰が行われ、応援サポーターとして名を馳せるいとうのいぢ氏が登壇しました。彼は受賞者に対し、縦スクロールコミックの可能性を語り、激励の言葉を送りました。同じく応援サポーターである吉崎観音氏も、コメントを寄せ、受賞者たちを後押ししました。
受賞者たちは緊張と興奮の中で表彰を受け、関係者との記念撮影に応じるなど、喜びを分かち合いました。特に、中国簡体字部門の金賞を受賞したCuZn(シー ユー ゼット エヌ)氏は、海外からの受賞でその存在感を示しました。
KADOKAWAの取り組みと未来
授賞式の最後には、KADOKAWAタテスクコミック部の寺谷圭生部長から事業の取り組みが紹介されました。KADOKAWAはこの3年間で作品展開数を日本の出版社として最大にし、今後も新たな作家の発掘と育成に力を入れていくとのこと。また、縦スクロール漫画制作の知見を蓄積し、さらなる横展開を目指しています。
さらに、「カドコミアプリ」がローンチされ、アプリ内での縦スクロール漫画の配信が開始されています。これにより、作品の多言語翻訳や、韓国拠点の「O'FAN HOUSE」の設立が進められ、世界中のユーザーに作品を届ける「世界編集部」の実現を目指しています。
受賞作品一覧
以下は、今回のタテスクコミック大賞における主な受賞作品です。部門ごとに多様な作品が揃い、新たな漫画表現の可能性を広げています。
- - 大賞(賞金300万円+連載デビュー確約):該当作なし
- - 部門金賞(賞金50万円+カドコミ掲載):『おとぎ話みたいな恋をしよう』葉森ヨウ
- - 部門銀賞(賞金30万円+カドコミ掲載):
- 『私の小さな不幸のため』ナナル
- 『閻魔様の子』じゃこめ
- 『天国』zero
- 『サンサン王と魔女の城』ツル
他、奨励賞、努力賞合わせて合計13作品が受賞しました。
まとめ
「第4回オールKADOKAWAによるタテスクコミック大賞」は、国内外から多くの新しい才能が集まり、今後の縦スクロール漫画シーンに期待が寄せられる素晴らしいイベントでした。KADOKAWAは、これからも多様な作品を発信し、作品と読者を結びつける場として、さらなる発展を続けていくことでしょう。