モバイルゲーム広告市場の現状:急成長と戦略的活用
モバイルゲーム市場は世界中で急速に拡大しており、広告配信はゲームの成功に不可欠な戦略となっています。2024年のアメリカ、日本、韓国では、人気ゲームが各プラットフォームにおけるモバイルゲーム広告露出率(SoV)を牽引しています。
本レポート『2024年世界のモバイルゲーム広告動向インサイト』は、モバイルゲームジャンル別にアメリカ、日本、韓国の市場における広告動向を分析しています。主な分析対象は、主要広告プラットフォームにおけるSoV、トップモバイルゲームパブリッシャー、人気の広告クリエイティブです。
アメリカ市場:パズルゲームの広告配信トレンド
アメリカでは、パズルゲームやカジノゲームなどのカジュアルゲームは、AppLovin、Mintegral、Meta Audience Networkなどの広告プラットフォームでの配信が好まれ、RPGやストラテジーゲームなどミッドコアゲームでは、YouTube、TikTok、Meta系プラットフォームが人気となっています。
2024年第2四半期におけるアメリカのモバイルパズルゲーム広告SoVは、AppLovinで40%に達し、『ロイヤルマッチ』や『マッチファクトリー』がトップ広告タイトルに位置しています。
日本と韓国市場:ミッドコアゲームの広告露出が際立つ
日本と韓国のモバイルゲーム市場では、ミッドコアゲームの広告SoVがカジュアルゲームよりも高い傾向にあります。
日本では、モバイルストラテジーゲームとRPGの合計SoVは、YouTubeで72%、Instagramで90%に達しています。韓国では、モバイルRPGのFacebookでのSoVは72%に迫り、モバイルストラテジーゲームのInstagramでのSoVは80%に達しています。
アメリカ市場におけるモバイルゲーム広告支出の増加
2024年上半期におけるアメリカ市場のモバイルゲームパブリッシャーは、Facebook、Instagram、YouTube、TikTokなどの主要広告プラットフォームに、6.5億ドルのデジタル広告費を投じました。そのうち、モバイルストラテジーゲームが35%、RPGが28%を占めています。
注目すべき成功事例:『MONOPOLY GO!』と『俺だけレベルアップな件:Arise』
『MONOPOLY GO!』:グローバルな成功と高い広告ROI
Scopelyがリリースしたモバイルゲーム『MONOPOLY GO!』は、2023年10月に月間収益が2億ドルを超え、全世界モバイルゲーム収益ランキングでトップを獲得しました。
2024年6月現在、アメリカのデジタル広告総支出は1億ドル、累計IAP収益は22億ドル、広告ROIは22に達しています。
『俺だけレベルアップな件:Arise』:韓国市場における広告SoVのトップ獲得
Netmarbleがリリースした『俺だけレベルアップな件:Arise』は、韓国のWeb漫画「俺だけレベルアップな件」を題材とした3Dアニメアクションモバイルゲームです。
2024年5月初旬から下旬にかけて、韓国のAdMob、YouTube、Facebookプラットフォームにおけるモバイルゲーム広告SoVランキングで、複数回トップに躍り出ました。多言語対応の広告クリエイティブが、全世界での影響力拡大に貢献しています。
日本のモバイルゲーム市場:『学園アイドルマスター』の成功
Bandai Namco Entertainmentがリリースした『学園アイドルマスター』は、日本で人気の『アイドルマスター』IPをベースとした学園アイドル育成ゲームです。
リリース後、広告SoVが上昇し、日本のYouTubeプラットフォームにおけるモバイルゲーム広告SoVで上位を維持しました。
美しいキャラクターとビジュアル効果、学園をテーマにした点が若いゲーマーに受け入れられ、App Storeでの評価も高く、リリース初日に日本のiOSとAndroidダウンロード数ランキングでトップを獲得しました。リリース後2週間で160万ダウンロードを突破し、2024年5月の日本におけるダウンロード数がトップのモバイルゲームになりました。
まとめ:モバイルゲーム広告の重要性と今後の展望
モバイルゲーム広告は、ゲームの成功を左右する重要な要素です。本レポートで紹介したように、適切なプラットフォームへの配信、効果的な広告クリエイティブ、そして市場のトレンド分析が不可欠となっています。
Sensor Towerは、今後もモバイルゲーム市場の動向を注視し、最新の情報を発信していきます。