ispace、金融機関から総額100億円調達！月面資源開発に向けた事業拡大へ

宇宙スタートアップ企業の株式会社ispace（以下、ispace）は、2024年7月12日に開催された取締役会で、総額100億円の資金調達を実施することを決議しました。

今回の資金調達は、三井住友銀行をアレンジャー、みずほ銀行をコアレンジャーとし、7行の銀行団によるシンジケートローンによって実現しました。ispaceは、地球と月の間にシスルナ経済圏を構築することを目指しており、日本、アメリカ、ヨーロッパの3拠点で事業を展開しています。

ispaceは、2024年冬に日本法人が主導するミッション2、2026年には米国法人が主導するミッション3を順次実行していく計画です。また、2027年には日本で開発中のシリーズ3ランダーを用いたミッション6を予定しています。今回の資金調達は、これらの開発や運用に関わる運転資金として活用されます。

今回の調達により、ispaceの累計調達額は656.4億円となりました。ispaceは、高頻度かつ低コストの輸送サービスを提供することで、将来的な黒字化による安定経営の実現を目指しています。

ispaceの取締役CFOである野﨑順平氏は、今回の資金調達について「日本を代表する各金融機関の皆様に当社ビジョン実現に向けた確かな歩みを評価いただき、今回の資金調達を実現することができました。金融システムもまた、当社が目指すシスルナ経済圏を構成する重要な要素であり、今回の画期的な資金調達は各金融機関の皆様に当社ビジョンに共感して頂いたことの現われと考えております。」とコメントしています。

2022年12月11日にSpaceXのFalcon 9ロケットを用いて打ち上げられたispaceの初となるミッション1のランダーは、月面着陸ミッションを実現する上での貴重なデータやノウハウなどを獲得しました。ミッション1で得られたデータやノウハウは、後続するミッション2にフィードバックされる予定です。

ミッション3では、より精度を高めた月面輸送サービスの提供によってNASAが行う「アルテミス計画」にも貢献する計画です。ispaceは、今後も月面資源開発を推進し、人類の生活圏を宇宙に広げていくことを目指しています。