再発乳がんの新たな治療選択肢として注目されるBNCTの臨床研究成功

株式会社CICSが、再発乳がんを対象としたBNCT（ホウ素中性子捕捉療法）に関する特定臨床研究の終了を発表しました。この研究は、江戸川病院におけるもので、高い安全性と有効性が示され、今後の臨床現場での活用が期待されています。

臨床研究の背景と目的

再発乳がんの患者は通常、放射線治療を受けた後に腫瘍が再発することが多く、外科的手術ができない場合が多いため、新たな治療法の開発が急務となっています。そこで、CICSは江戸川病院との協力のもと、BNCTに関する特定臨床研究を実施しました。目的は、BNCTの安全性と有効性を評価することです。

BNCTとは？

BNCT（Boron Neutron Capture Therapy）は新しい形態の放射線治療です。ホウ素薬剤を体内に投与し、がん細胞に集積させた後、体外から中性子線を照射します。ホウ素と中性子が反応して発生する放射線が、がん細胞を選択的に破壊する仕組みになっています。

臨床研究の概要

本研究では、放射線治療後に再発した乳がんの患者を対象に、CICSが開発した加速器型中性子捕捉治療装置とステラファーマのホウ素薬剤を組み合わせて使用しました。主要評価項目として安全性を設定し、治療に伴う重篤な副作用は認められず、高い安全性が確認されました。

さらに、有効性に関しては、治療を受けた患者5名中4名が治療に効果を示す「奏効」を得る結果となり、腫瘍縮小率が50%以上となった症例もありました。これは、BNCTが再発乳がんに対する新たな治療の選択肢となる可能性を示唆しています。

今後の展望

再発乳がんでは、通常の放射線治療が行えないケースが多く、外科的手術が適用されない患者も多く存在します。このため、BNCTが有効な治療法となることで、患者にとっての選択肢が広がることが期待されています。CICSは今回の研究を通じて、がん治療に新たな光をもたらすことを目指しています。

CICSの取り組み

CICSは、リゾートトラスト株式会社の連結子会社として、医療事業においても積極的な取り組みを行っています。1994年からメディカル事業への参入し、会員制メディカル倶楽部の運営を行うほか、がん検診や先端免疫治療においても貢献しています。「人生100年時代の健康長寿を実現し、がんで大切な人を亡くさない社会を作る」という理念のもと、今後も取り組みを進めていく意向です。

今回のBNCTにおける研究成果は、患者に新たな希望を提供するものとなるでしょう。私たちは、より多くの人々が幸せな時間を過ごす手助けをし、がん治療の進化に貢献していくことを目指しています。

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