ドラマ『HEART ATTACK』がインドネシアで注目を集める
株式会社Black Cat White Cat Musicが手がけたドラマ『HEART ATTACK』が、11月にインドネシア・ジャカルタで開催される「30th Asian Television Awards」のBest Drama Series部門にノミネートされました。この作品は、主演に寛一郎と三浦透子を迎え、3月にはフジテレビの動画配信サービスFODで全話が公開されています。
『HEART ATTACK』の劇伴制作
『HEART ATTACK』の音楽は、シーンの雰囲気を盛り上げるという枠を超え、登場人物や物語の世界観を音で表現することに重きを置いています。超能力を持つ人々「ヴァリアント」と、その彼らを制圧しようとする機関「VCM」の対立を反映した音楽設計が特徴的です。迫害する側にはインダストリアルで冷たさを感じさせる音が使われ、一方で隔離されたヴァリアントには彼らの人間味や感情を引き立てるオーガニックな音が採用されています。このような音楽的な対比によって、キャラクターの立場や物語が一層鮮明に浮かび上がります。
音楽と視覚の融合
音楽制作にはビジュアル面も強く反映されています。例えば、スラム街で暮らすヴァリアントのシーンでは、即興的な缶を叩く音が用いられ、リアルな世界観を追及しています。制作された20~30曲のテーマは、物語の流れに応じて再アレンジされ、キャラクターの成長や心理的変化に同調する音楽が緻密に設計されています。
アジアでの評価
本作はさらに、9月に台湾の台北で開かれた「ContentAsia Awards 2025」において、アジア市場およびインターナショナル市場向けの最優秀ドラマシリーズとして銀賞を受賞。国境を越えた作品として高い評価を得ています。
制作チームのコメント
音楽ディレクターのErik Reiff氏は、劇伴制作にあたって視覚と音楽が統一感を持つよう配慮したと述べ、ドラマの体験をより豊かにすることができたと自負しています。また、フジテレビのオープンな姿勢についても感謝の意を示し、新しいアプローチが実現できた背景には、彼らの理解と協力があったと語ります。
Black Cat White Cat Musicについて
Black Cat White Cat Musicは2018年に設立され、東京を拠点にしながらもロサンゼルスやタリンにもオフィスを展開。日欧米の映像音楽の制作に特化しており、多様な国々のアーティストと連携し、国際的に音楽を創出しています。また、日本の音楽を海外へ、海外の音楽を日本に届ける架け橋ともなっている存在です。
おわりに
受賞歴やノミネートを重ねる中で、『HEART ATTACK』は確固たる地位を築きつつあります。音楽の力によって物語がどのように展示されるのか、今後も注目が集まります。