深沢幸雄展開催のお知らせ
千葉県佐倉市に位置する佐倉市立美術館では、2024年8月10日から9月29日まで、深沢幸雄の生誕100年を記念した特別展が開催されます。本展は、深沢の芸術とその独自の旅路を体験できる貴重な機会です。
深沢幸雄の生涯
深沢幸雄(1924-2017)は、山梨県の南巨摩郡に生まれ、東京美術学校で彫金を学びました。戦後、市原市鶴舞に移り住んだ彼は、油画に手を染めましたが、戦中に受けた膝の打撲がきっかけで体に不自由が生じ、6年間の闘病生活を強いられました。そんな中、机上でも制作可能な銅版画に目覚め、独学でスキルを磨いていきます。
1963年にはメキシコへ渡り、銅版画の技法を教える中でメキシコ文明から受けた影響を活かした作風へと進化しました。特に、1981年に開発した自動目立て機「チンタラ―一世」を用いたメゾチント技法で作り上げた幻想的な作品は、その名を広く知らしめるものとなりました。
展覧会概要
本展では、深沢が生涯にわたって残した約200点の作品が展示されます。展示は以下の章に分かれており、彼の創作精神を感じ取ることができます。
- - 第Ⅰ章 銅版画制作以前の作品
- - 第Ⅱ章 独学での銅版画製作
- - 第Ⅲ章 宮沢賢治との関連
- - 第Ⅳ章 メキシコとの出会い
- - 第Ⅴ章 メゾチントの探求
会場とアクセス
会場は佐倉市立美術館の2・3階展示室で、佐倉インターから車で約5km、公共交通機関を利用することも可能です。また、入館料は一般600円、大学生400円、高校生以下は無料というリーズナブルな料金です。
関連イベント
本展では特別企画も準備されています。9月21日には展覧会担当学芸員によるギャラリートークが行われ、9月8日にはドライポイント版画体験が予定されています。さらに、ダンテや宮沢賢治にまつわる詩の朗読会も開かれ、深沢の作品に触れながら多様な文学の世界に浸ることができます。
まとめ
この夏、佐倉市立美術館にて、深沢幸雄の独自の視点と詩情あふれる作品をぜひご鑑賞ください。彼の作品を通じて、どのような物語が描かれているのか、一緒に探求してみましょう。心温まる芸術の旅がここに待っています。