HKSが新しいカーボンニュートラル燃料で筑波で挑戦
株式会社エッチ・ケー・エス(HKS)は、カーボンニュートラルの実現へ向けたプロジェクトとして、筑波サーキットで試験運転を開始しました。使用される燃料は開発中の「HKS CNR FUEL」で、この燃料を搭載したトヨタGR86をベースにした「HKS Racing Performer GR86」が走行します。HKSは、2026年2月に開催予定のAttack筑波に向け、実走行データを集め、その性能を検証する狙いです。
目指すタイムと燃料の特性
今回の試みでは、「HKS CNR FUEL」を駆使し、GR86の筑波サーキットでのレコードタイムである55.001秒の更新を目指します。さらに、同燃料の実用性や市場テストも行いながら、カーボンニュートラル燃料の商業化に向けた開発を進めています。
HKS CNR FUELについて
「HKS CNR FUEL」は環境負荷を軽減しつつ、エンジン性能や効率を追求した次世代レース燃料として開発されています。この燃料は再生可能エネルギー由来の原材料を使用し、持続可能なモビリティ社会の実現に寄与することを目指しています。サーキットでのスポーツ走行やタイムトライアルなど、実走のデータに基づく性能向上が期待されています。
第一弾「Bio E85 Plus」
HKSのCNR FUELシリーズの第一弾として開発されている「Bio E85 Plus」は、バイオ由来のエタノールを基にしたE85燃料です。耐ノック性を高めるための専用添加剤を配合しており、高オクタン価と吸気冷却効果を兼ね備えています。この燃料により、自然吸気車両や過給器付き車両のパフォーマンス向上が見込まれ、ノッキング耐性も向上しています。特に、HKSが過去に開発した競技用燃料との比較で、発揮される点火圧が約6度も向上していることが確認されています。
タイムアタック開始
HKSは、今回の試行で、既存の競技用燃料を使用した場合のベストタイム55秒001を下回り、54秒台半ばを目指してタイムアタックを始めることを決定しました。事前の台上試験では、最高出力が573psから633psへ、トルクも683Nmから753Nmに改善されましたが、今後の実走行データに期待が寄せられます。
HKSの長年の実績
HKSは1973年に設立され、その後、自動車用アフターマーケットにおいてエンジンパーツやサスペンション、ターボなど数多くのパフォーマンスパーツを提供してきました。近年では、高効率エンジンの研究やカーボンニュートラルの実現に向けた取り組みも進めています。これらの活動を通じて、チューニング文化を育むと同時に、持続可能な社会に貢献していく姿勢が特徴です。
今後の展望
将来的には、合成燃料の開発も視野に入れ、米国でも注目を集めるE85燃料を主体とした商品をはじめとした競技用燃料の実用化を目指します。カスタマイズという分野でも「楽しさ」と「持続可能性」を両立させる新たな提案を行い続けるHKSの今後の活動に期待が寄せられています。
おわりに
HKSが行うタイムアタックと燃料開発は、未来のモータースポーツにおける重要なステップを示しています。サーキットでの性能テストがカーボンニュートラル社会の実現に向けた持続可能な選択肢を生み出すことを期待しつつ、ファンたちもその進展を楽しみにしています。