腎臓病とリフレーミング: 生活の質向上に向けた調査
一般社団法人ピーペックが運営するウェブサービス「じんラボ」は、腎臓病に関わるすべての方々のための施策を進めています。特に注目されているのが、10周年記念としてスタートした「みんなでつくろう、これからの医療 with Kidneyプロジェクト」です。この取り組みは、慢性腎臓病(CKD)や関連疾患と闘う患者さんたちの生活の質を向上させることを目的としています。
慢性腎臓病とは
慢性腎臓病(CKD)は、腎臓の機能が徐々に低下していく病気の総称です。2002年に国際的に定義されてから、その認知が広がっています。日本では、成人の約20%がこの病気に罹患していると言われており、まさに新たな国民病とも言えるでしょう。しかし、CKDは自覚症状が乏しいため、多くの人が病気を放置してしまうのが現状です。進行すると、透析や腎臓移植が必要になることから、早期発見と治療が非常に重要です。
リフレーミングの重要性
「リフレーミング」とは、物事の捉え方を変えることで新たな視点を得る技術です。この手法は、特に慢性疾患を抱える人々の心の健康を保つために有用です。医療現場におけるリフレーミングは、患者の心理的負担を軽減し、前向きな治療参加を促す効果があります。また、医療者と患者のコミュニケーション改善にも寄与することが研究されています。
調査の目的と内容
2023年の4月より定期的に行われているウェブアンケート調査も、このリフレーミングをテーマにしたものです。18回目の調査では、腎臓病や糖尿病を持つ当事者が、自身の日常で行っているリフレーミングの事例を募集しています。また、医療者からも実践例を集めることで、双方の立場からの実践知を共有し、治療環境の改善に生かすことを目指しています。
この調査は、医療者と患者の両方に向けて、日常生活での困難をいかに捉え直すかを考える貴重な機会です。たとえば、ある特定の苦しい状況に直面した時、その状況をどのように言い換え、自分自身を勇気づけるのかを考えることが求められています。また、リフレーミングによって自己肯定感を高めることで、医療従事者のバーンアウト防止にも寄与することが期待されています。
プロジェクトの背景
「じんラボ」は、腎臓病に基づく社会的な課題に立ち向かうため、患者自身の声を大切にした取り組みを行っています。特に、自己管理がCKDの進行抑制や重症化予防に繋がる点に着目し、患者と医療者が共同で情報をマネジメントする「腎臓病とのつきあい方ガイド」を提案しています。このガイドは、紙媒体の情報を一元管理できる仕組みであり、誰でも手軽に活用できるよう工夫されています。
所要時間約10~15分の今回のウェブ調査は、腎臓病や糖尿病を抱える方々の生活を豊かにするための貴重な情報を発信することを目的としています。集まった事例は、慢性疾患に対する理解や新たな治療法の開発に役立てられるでしょう。
じんラボについて
「じんラボ」は、腎臓病に関する情報を発信し、患者が病気と向き合うための支援を行っています。こちらのサイトでは、腎臓病の理解を深め、慢性疾患を抱える方々が心身ともに充実した生活を送れるよう、共感と支え合いを促進する取り組みを行っています。
まとめ
腎臓病は無自覚で進行しやすい病気であるため、早期の発見と適切な管理が不可欠です。また、リフレーミングによって心の健康を維持することも重要です。私たちは「腎臓病とのつきあい方」を考え直し、リフレーミングを通じてより良い未来を築いていきましょう。
詳細の調査情報や参加方法については、下記リンクをご覧ください。
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