男性育休の新時代
最近、日本では男性の育児休業制度が脚光を浴びています。少子化や人口減少といった深刻な社会問題に対処するため、政府は男性の育児休業取得率の向上を戦略の一環として掲げており、厚生労働省も基準を改正し、企業に対して「男性育休取得率30%以上」を求める方針を示しました。
この取り組みにより、企業は制度を整えるだけでは不十分とされ、実効性のある運用体制の構築や、社内文化の育成が求められるようになっています。ここでは、育児休業取得率向上に取り組む先進事例を紹介します。
取得率71%のベルシステム24
株式会社ベルシステム24ホールディングスでは、男性育休取得率が71%に達し、平均育休日数は約52日です。特筆すべきは、最長で1年間の育休を取得する社員もいることです。制度だけでなく、復帰後のキャリアパスを確保するためのサポートも充実しています。業務の引き継ぎやマニュアル整備によって、スムーズな職場復帰が可能です。
京王電鉄の育児休暇有給化
京王電鉄株式会社では、全体の育児休暇取得率が75.7%となり、特に現場職でも積極的な取得が進んでいます。育児休暇の有給化により経済的不安が軽減され、社内広報を通じて育休取得者の体験談を共有することで、若手社員への認知度向上が図られています。
男性育休100%のj.union
j.union株式会社においては、男性の育休取得率がなんと100%。3か月以上の育休を取得する社員がいるだけでなく、年間に2回の取得を行う社員もいます。このように、育休がキャリアの中断とはなく、貴重な経験の一環として評価される企業文化が根付いています。
NSグループのインセンティブ制度
NSグループでは、2019年に0%だった男性育休取得率を、2023年度には100%まで引き上げました。ポスターや社内での呼びかけを通じて意識改革が進み、出産祝い金の増額や宿泊特典など、多彩なインセンティブを通じて育休取得を奨励しています。
瀬戸市役所の柔軟な育休制度
愛知県瀬戸市役所では、育休と有給を組み合わせることができ、最大6か月間の育児休業が可能です。丁寧な引き継ぎを行うことで、スムーズに育休に移行できる環境が整えられています。また、時短勤務制度や看護休暇制度も充実しており、自治体ならではの柔軟な対応が評価を受けています。
男性育休を文化に
現在、男性育休の促進は単なる制度の整備を超え、企業文化の変革を必要としています。育児に積極的に関与することが「例外」ではなく「当たり前」となるためには、働きやすい環境づくりや、周囲の理解を深めるための多面的な取り組みが不可欠です。これに対して「ミライのお仕事」では、未来志向の情報発信を続け、育児と仕事を両立できる社会を目指しています。
まとめ
男性育休の取得を促進することは、少子化問題解決にとどまらず、社員の人生を尊重する企業の姿勢そのものを表す重要な要素です。今回紹介した先進的な事例は、他の企業にとっても良いお手本となるでしょう。ぜひ、これからも育児と仕事を両立させる文化が広がることを期待したいです。