斜面監視の新技術
2025-10-06 10:59:26

オフグリッド型ドローンポートによる斜面監視実証実験の実施

新たな斜面監視技術への挑戦



近年、建設業界では労働力不足や安全管理の強化が求められており、特に危険な現場ではより高度な技術の導入が必要とされています。そんな中、合同会社SORABOTが八千代エンジニヤリング株式会社と協力して、能登半島の輪島地区で行った実証実験は注目を集めています。

実証実験の背景と目的



この実証実験は、2025年8月21日から10月3日にかけて行われ、能登半島の地すべり災害区域内で進行しました。国土交通省の管轄するエリアで、地すべり調査業務として行われたこのプロジェクトでは、オフグリッド型ドローンポートを活用し、斜面の安全を遠隔で監視することを目的としています。

オフグリッドシステムとは、電力会社の電力網に依存することなく、独自に発電・蓄電を行い、必要な電力を自給自足する形態です。このシステムを用いることで、商用電源の無い地域でもドローンを安定して運用できる環境を整えました。

実証実験の内容



実証実験では、現場に常設されたドローンポートから、毎日定時に自動でドローンが飛行し、取得したデータをクラウド上でAIが解析します。これにより、遠隔地から斜面の状態を素早く正確に把握することが可能になります。システムの構成には、衛星通信を利用し、ソーラーパネルとポータブルバッテリーによって電源を確保しました。

また、ドローンポート内には、温度管理システムや監視カメラも設置されており、機器の安定運用が図られています。これにより、山岳地帯や災害が発生しやすい地域でも、人的資源の不足を補いながら、高い安全性を維持することが期待されています。

高精度なデータ解析



本実証実験の最大の特長は、従来のオルソ画像に加え、点群データによる差分解析を行うところにあります。この解析手法によって、目視で見逃してしまいがちな微細な変化や、崩落した土砂の体積までを定量的に把握することが可能となります。専門の地質・地盤技術者による分析も行われ、精度の高いリスク評価に繋がります。

日常業務への統合



実験で得られたデータは、翌朝には関係者に共有され、迅速な作業計画やリスク評価に活かされています。特に、雨天時や異常が確認された際には、点群データを用いた手動解析が行われ、詳細な状況把握が可能となります。これにより、安全性の向上が図られます。

実証実験の成果



この実証実験を通じて、客観的なデータに基づいたリスク評価が行えるようになり、業務の効率化が促進されました。例えば、落石を検知した場合には、迅速に関係者間で情報共有が行われ、適切に対処することが可能となりました。

今後の展望



今後は、自動化されたワークフローのさらなる発展を目指し、ドローンが取得した点群データの自動解析が実現できる仕組みを構築することが課題として残されています。これにより、災害のリスクをより迅速に評価し、安全対策を強化することが期待されています。

会社概要



合同会社SORABOTは、産業ドローンの実装パートナーとして、ドローンの販売や運用サポートを提供しています。オフグリッド型ドローンポートに特化した取り組みを行い、様々な分野における安全性と生産性の向上に貢献しています。

一方、八千代エンジニヤリング株式会社は、公共事業を中心に技術コンサルティングサービスを提供し、60年以上の技術力を誇る企業です。今後もこれらの企業が連携し、最新の技術を駆使した安全な社会構築に寄与することが期待されます。


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会社情報

会社名
合同会社SORABOT
住所
神奈川県横浜市都筑区荏田南5-20-9
電話番号

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