ispaceと高砂熱学工業の新たな資本提携が宇宙産業に大きな影響を与える
ispaceと高砂熱学工業の新たな資本提携がもたらす未来
2023年10月6日、株式会社ispace(東京・中央区、CEO:袴田武史)は、高砂熱学工業株式会社(東京・新宿区、社長:小島和人)との第三者割当増資を発表しました。この提携は、月面での水資源利用と新たな技術の開発を巡るものです。高砂熱学工業は約30億円の出資を行い、両社の協力関係はさらに強化されます。
高砂熱学の役割
高砂熱学工業は、2019年にispaceの民間月面探査プログラム「HAKUTO-R」にパートナーとして参加し、熱利用技術や水電解技術に関して協働を進めてきました。この背景には、月面環境で水素と酸素を生成するための取り組みがあります。2025年には、Mission 2「SMBC x HAKUTO-R VENTURE MOON」として月面環境での水素・酸素生成の実証実験を行う計画です。
このミッションは、高砂熱学工業が開発した水電解装置を搭載するもので、月面の水資源を活用するための重要なステップとなります。さらに、2025年5月には、月面での水資源採掘をispaceのプロジェクト通じて実証することを目指し、両社は覚書を交わしました。
新株式発行の意義
今回の第三者割当増資は、ispaceが2028年までに予定している2回のミッション(それぞれ2027年と2028年の打ち上げ予定)を推進するための資金確保に直結します。これにより、手元資金の充実と財務基盤を安定させ、管理面でも機動的な経営判断を可能にします。これまでのミッション1、2の成果を元に、次のミッションの成功確度を高めるための技術と品質の向上も期待されます。
両社のビジョン
ispaceの代表取締役CEOである袴田武史は、「高砂熱学との協業は、宇宙産業の新しい可能性を拡げる重要なステップ」として、この提携の重要性を強調します。また、持続可能な月面社会の実現に向けて、「月面経済圏の構築」を目指していく意向を示しました。
一方、高砂熱学工業の小島和人社長も、「月面エコシステムの構築に挑戦することは、地球の環境を超えた新しい価値創造の可能性を持つ」と述べ、両社の技術的な融合がもたらす未来に期待を寄せています。
今後の展望
ispaceと高砂熱学工業の連携により、月面での水資源の採掘・利用に向けた新たなスキームが生まれることで、未来の宇宙産業における新しい価値創造が期待されます。これからの二社の動向から目が離せません。両社の協力が宇宙産業の発展にどのように寄与するのか、今後の発表を楽しみにしたいところです。
会社情報
- 会社名
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株式会社ispace
- 住所
- 東京都中央区日本橋浜町3-42-3住友不動産浜町ビル3F
- 電話番号
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